『時空神子シリーズ』―華乱
□鈴華の魂は、涙を謳う
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―天神界・千零國・椿城・璃羅の寝室
「璃音の輝石が目覚めたか」
艸波が呟く。
鏡から視線を彼に向けた璃羅は椅子から立ち上がり、隣へと歩み寄った。
「艸波様…」
「ん?」
「神羅を元の姿に戻そうかと思います。何かと不便でしょうからね。璃音の輝石が目覚めた以上…」
「今の神羅じゃ、不便も不便だな。あの形では…」
白い手が艸波の頬を撫で上げる。
「持つモノは違えど…“双子”ですから」
仄かな笑みを浮かべて璃羅は言った。
「神艸だけ贔屓ってのも、ね?」
「仕方ないな…璃羅の頼みじゃ…」
唇に軽い接吻をした艸波は指を鳴らす。
「これで…不便じゃなくなる。表に出せない分の褒美って事で」
「有り難う。艸波様…」