『時空神子シリーズ』―華乱

□鈴華の魂は、涙を謳う
5ページ/11ページ

――…双子


僕と兄上は紛れもなく同じ日に生を成し遂げた。

黄泉の国の掟に則り、先に生まれてきた者が重宝される世界。
掟に不満がある訳じゃない。寧ろ僕は二番目に生まれてきて安堵している。

黄泉の国を統一するという意味を十分に理解しているから。
母上が父上と契りを交わして変わったとはいえ、古くから存在する理には則らないといけない。
故に僕が兄と年齢差がある様に見えてしまうのは仕方ない事だと割り切っている。

割り切っているからこそ…
文句なんて並べたりはしない。

そこが、僕と兄上の違う所。

たまに双子なのかな?って疑ってしまう時もあるけど。
元の姿に戻れば嫌でも知らされるよ。

正真正銘の双子なんだって…


璃音の輝石が良い見本だね。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ