『時空神子シリーズ』―華乱

□鈴華の魂は、涙を謳う
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璃音の輝石の本当の意味を。何故、父親が毎回怒っていたのかも。


――…璃音の輝石


色は翡翠にも見える綺麗な緑。
代々、楠野に伝わる家宝とも言える品。

しかし、その一方で“魔の宝石”とも言われているのも事実。確かに楠野の家宝ではあるが、石に宿されている力が強力なのだ。

家宝だからと言って着ける輩も少なからず大勢いた。
だが、身に付けた者は、死んでいった。
身に持っている神力と元から宿されている強力な何かが反発し合う形となり、最悪は命を落とすというのが過去のデータにも残っている。

無論、歴代の黄泉の国の王となった者は血が濃いせいか操られるという事例は一度もない。


だが、神艸はその事実すら全く皆無。

皮肉にも笑える事ではないのをドア越しで聞き耳を立てている人物は暗い表情を浮かべていた。
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