『時空神子シリーズ』―華乱
□冥王には秘密事…
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【風羅side】
まさか、あの科白を盈の口から聞くとは思わなかった。
『自分でも解らないんです。何で…こんなに焦っているのか。どうして、普段の自分じゃないのか。けど、気を抜いていたらいけないって思って。そしたら…何か知らないけど…楽で…』
実際に昔、私は弟である璃羅から聞いた。
『もう…疲れちゃった。ごめんね…風羅兄様…』
儚く微笑う姿が璃羅と重なった。
盈は、昔の璃羅とまるっきり似ている。
「ふぅ…」
これは少し難問だな。
『風羅兄様ぁ…お久ぁ』
ん?
「――…り、璃羅?」
『うん。璃羅だよ…』
「急にどうしたの?」
『母上に頼まれてさぁ。今、そっちに盈居るんだって?…』
鏡から声が聞こえて私は驚いた。