『時空神子シリーズ』―華乱

□冥王には秘密事…
8ページ/10ページ

【風羅side】


まさか、あの科白を盈の口から聞くとは思わなかった。


『自分でも解らないんです。何で…こんなに焦っているのか。どうして、普段の自分じゃないのか。けど、気を抜いていたらいけないって思って。そしたら…何か知らないけど…楽で…』


実際に昔、私は弟である璃羅から聞いた。


『もう…疲れちゃった。ごめんね…風羅兄様…』


儚く微笑う姿が璃羅と重なった。
盈は、昔の璃羅とまるっきり似ている。


「ふぅ…」


これは少し難問だな。


『風羅兄様ぁ…お久ぁ』


ん?


「――…り、璃羅?」


『うん。璃羅だよ…』


「急にどうしたの?」


『母上に頼まれてさぁ。今、そっちに盈居るんだって?…』


鏡から声が聞こえて私は驚いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ