『時空神子シリーズ』―華乱

□冥王には秘密事…
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だからと言って、無理をして欲しくないのは風羅の本心。

今の盈華は何かに没頭して、必死に忘れようとしているのかも知れない。否、はたしたら想い人に早く近づきたいが為に自分を追い込んでいる。

焦ったら、それ以上に自分がキツいって事を彼は知らないのだろう。


「盈…」


「あ、ちょっと…」


「真面目なのはいいが、無理したら体を壊す。たまには息抜きをしなさい。少しは、自分の体の事を考えてあげなさい…」


「…」


普段なら取り上げたりはしない。
だが、追い込んでいく姿を見たくなかった。風羅は嘗て、自分を追い込んでいき、精神崩壊しそうになった弟を見た。

一言すら『辛い』とも『寂しい』とも口に出さなかった弟は、今の盈華みたいに現実逃避するかの如く、一つの事に対し没頭していた。
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