『時空神子シリーズ』―華乱
□冥王には秘密事…
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『はぁ』と小さな溜め息をつき、カズラが話す。
「まったく!風羅が下界に居るから安心だと羅淡様が言っていたの聞かなかったの?この耳は、飾り?聞いていますか、父様っ」
「……っ、うわっ!蹄哉…」
「仕事してくれなきゃ、迷惑です。カズラさんに全て押しつける気ですか!」
蹄哉の怒鳴る声が耳に入り、驚くギオン。
バンっと叩かれた机は無惨に粉砕した。置かれてあった大量の資料が一気にギオンの足へ落下する。
「いっ……たぁぁぁっ!!!」
「あ、ごめん。つい、力が…」
それは痛いだろうと思うカズラと蹄世。
約十二冊分の分厚い資料が積み重さなっているのだから。痛くなかったら、逆におかしい。
「バチですね」
「…っ、人事だと思って」
「仕事をほったらかしにしているからですよ…」