『時空神子シリーズ』―華乱
□冥王には秘密事…
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―天神界・千零國・椿城・書斎部屋
「末羅叔父様からお越しに来るとは…」
テーブルに置かれるティーセット。
羅淡はポットから紅茶をカップに注ぐ。
「実は…盈華の事で…一つだけ心配な事があって…」
「心配な事と言いますと?」
「羅淡も知っていると思うが、盈華は次期冥王として決まっている…」
「正式に冥王として君臨するのは、試練があるのも知っています」
末羅の表情が曇る。
「その試練が今なのかも知れない…」
「えっ」
「自分を追い込んでいく所は俺に似てしまったんだろうな。だから、心配なんだ…」
末羅の言葉に羅淡も心あたりがあった。
甥っ子の盈華は昔の自分達をまるっきり思い描かす。いや、どちらかというと息子の璃羅に近いだろうか。