『時空神子シリーズ』―華乱

□途絶えない記憶の深くに幼き君を。
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盈華が吐いた科白に私は困惑した。

単に気になったのかは解らない。けど、私は酷く戸惑う。
正直、幼い頃の事は触れて欲しくないからだ。


『あの璃羅さんなら、甘えかすなんて非に等しいだろうし……貴方の父君も…同類なのかな』


的確な洞察力で、痛い所を容赦なく付く。

彼から見ても解るぐらいなのかも知れない。間違ってはいないさ。

両親は甘えかすなど一切しなかった。
他の御子達は沢山甘えかしてもらっている姿をちょくちょく映し出されていたが。私の家系では、それが一切存在しなかったのだ。

一つ間違えれば…

手厳しく説教されたものだ。

口答えしたら…

『周りと一緒の扱いだと思うな』と罵倒されもした。

楠野帝の血を引いて生まれてきた以上、期待すら消えていった。


全て…


あの日に。
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