『時空神子シリーズ』―華乱
□変わりゆく、時空の薔薇
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【風羅side】
おかしい。
璃羅は普通に戻って来たけど、肝心の盈が居ない。
「ふふっ、思い立ったらポジティブになるのは神楽帝の血筋かな…」
急に意味ありげな科白を吐く。
「ねぇ…弱さは誰でも持っているもんなんだよ。その弱さを、克服出来てこそ一人前なんだよ」
「璃羅、風羅皇子が固まっている…」
もう…
この夫婦嫌だ。
母上は父上の所へ出かけてしまったし。
取り残された私は、二人の相手する羽目になるし。
――…泣けてくる
「…風羅兄様、盈は自分の試練を受け入れるみたいですよ」
「へっ、えっ…」
「ですから…試練を受け入れるみたいです。流石は冥王の血を引いているだけあり、一度決めた事は曲げない頑固さ…筋金入りですね…」