『時空神子シリーズ』―華乱

□変わりゆく、時空の薔薇
1ページ/11ページ

【風羅side】


おかしい。

璃羅は普通に戻って来たけど、肝心の盈が居ない。


「ふふっ、思い立ったらポジティブになるのは神楽帝の血筋かな…」


急に意味ありげな科白を吐く。


「ねぇ…弱さは誰でも持っているもんなんだよ。その弱さを、克服出来てこそ一人前なんだよ」


「璃羅、風羅皇子が固まっている…」


もう…
この夫婦嫌だ。

母上は父上の所へ出かけてしまったし。
取り残された私は、二人の相手する羽目になるし。

――…泣けてくる


「…風羅兄様、盈は自分の試練を受け入れるみたいですよ」


「へっ、えっ…」


「ですから…試練を受け入れるみたいです。流石は冥王の血を引いているだけあり、一度決めた事は曲げない頑固さ…筋金入りですね…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ