『時空神子シリーズ』―華乱
□鈴華の魂は、涙を謳う
1ページ/11ページ
――黄泉の国・楠野邸・神艸の寝室
「えっ、璃音の輝石が……」
神艸は驚きが隠せないでいた。
首に着けているネックレスのトップである綺麗な石が恍惚な光を放っていたのだ。
父親の首にも同じ様な物を一度見た事あるが、こいゆう反応はしなかったハズ。
だとしたら、この輝きは何を意味しているのだろうと首を捻らす。
『何度言ったら解るのだっ!璃音の輝石に無闇に触れるなっ…』
幼い頃は触れる度に怒られていた気がする。理由は解らないが、あの時の父親は鬼の血相だった。
大切な物を壊されたら元もこうもないと思って触らすのを禁止していたのだろう。
今もそう思っている自分だが…
「…駄目ですね。頭が働かない」
まだ…
彼は知らなかった。
否、知る由もないだろう。