『時空神子シリーズ』―華乱
□試練は瑠璃色の雨として降る
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【羅淡side】
末羅叔父様に、聞いてしまったが。マズかっただろうか。
いや、俺の間違いでなければ盈華は既に想い人が居るはずだ。
俺も伊達に長く生きている訳ではない。
甥っ子である盈華の反応ぐらい見分けられる。唯一、見分けられなかったのは璃羅だけだった。
璃羅は兄弟の中で一番、自分の気持ちを隠すのが得意だった。
だからなのかも知れないが、盈華の事も気付いているハズ。しかしながら…璃羅の行動が読めない。
「母上ぇぇぇ…!!!」
ん?
この声は…
咄嗟に振り返ると、満面な笑みを溢す璃羅が居た。
「璃羅ちゃん、里帰りに来たよん!はぁ…逢いたかったぁ…」
「ちょっ、璃羅!」
「ふふっ、母上の匂いは落ち着く…」