07/07の日記
14:03
ZC
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どこにもいないよ。
アンタはアンタのままだ。
だから、代わりなんていないし、欲しくない。
身勝手な気持ちほど多くを求めてしまうもので、そんなこと知りもしないオレは彼のいない部屋に立ち尽くしたまま。
もう3ヶ月。
遠征は1ヶ月で終わると言っていた。
待っても連絡はこない。
教官に聞いても向こうからの連絡は、電波外のため一切のやり取りは無いらしい。
1ヶ月、また1ヶ月と過ぎていく時ばかりを気にしていたって仕方無いといつか思って、ザックスが突然帰ってきてもいいように、部屋の掃除を毎日欠かさずして、ほぼザックス任せにしていた料理も隠れて練習した。
ここまで誰かのためになにかをしようと思えたのは始めてかもしれない。
ザックスじゃなくてもそうしたのかな?なんて滅多なことを考えてしまう自分に突如嫌気がさした。
きっといつまで経っても帰ってこないザックスに怒りさえ覚え始めているのかもしれない。なんて愚か者なんだ。仕事をしているのに、ハァと吐いたため息も重く感じる。
早く帰ってこい!
ザックスのバカ!!
潤み始めた瞳がイヤで、ゴシゴシと掻くが収まりようもない量が意思に反して溢れだす。
もしかしたら、怪我してるのかも!
今度は最悪の状況を見いだそうとしている。
脳内がこんなにも熱くなり、ボヤけた視界を振り切って足は玄関先へと向かう。
電波が無いならなにかほかにも手があるはずだ。
ザックスを助けないと!
思考がどんどん悪い方へ傾き、もう暴走しているように鼓動も早い。
玄関のドアを開けようと、ノブに手を添えると、勝手にノブが回っていく。
確か、この部屋はザックスと俺しか鍵は持っていないはず…。
開かれたドアの先にはボロボロになった服を背負ったザックスがいた。
「あれっクラ、どっか出掛けんのか?」
「ぁ…ザック、ス?」
はっ!涙、拭いてなかった!
すぐさま、腕で拭かないとと俯きながら拭こうとするとその腕を急に掴まれた。
「泣いてたのか?」
「いや、…コレは…!」
いいんだ。
ザックスが帰ってきてくれたなら。
これが夢でなければ。いいんだ。
安心感からまたもや涙が次々と溢れでて、止まらない。
「ごめんな。1ヶ月だって言ったのに、3ヶ月も待たせて。ごめん。」
「いいんだ。仕事なんだから…でも、おかえり。」
「ただいま、クラウド。」
心配なんてしてやるかって思ってたけど、やっぱり自分の本心には勝てないものなんだな。
良かった。ザックスがいて。
END
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