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□家族
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「エース、どうした?」
「おぉ、ゾロか。やっと名前で呼んでくれたな?」
「〜〜〜っ!…で、なに弟を見つめてんだ?」
「いや。そういつまでもここにはいられねぇからな。じっくり寝顔を見るのも悪くねェと思って。」
「そーか。意外と弟思いなんだな。あんた。」
「んー。コイツの手配書見てからは、仲間の奴らにもよく言われるよ。ブラコンだって。」
「図星なんだろ?」
「否定はできねェなぁ」



家族



翌朝、ユバへと旅立つためにと早く寝るつもりが、エース登場に船上は宴が開かれ、お開きになった今もくたびれ寝てしまったルフィとそれを見つめるエース、そして何故かここにいるゾロが話し込んでいた。

「やっぱり兄弟ってのはイイモンか?」
「?お前ってそんなこと興味あるタイプか?」
「っるせぇ!で、どうなんだ?」
赤く頬を色付かせたらすぐ話を元に戻す。
ゾロはそういうタイプだとは予想がついた。
「そうだなァ。家族だからな。イイモンだよ。」
ふと、サボやダダンの顔も浮かんだがすぐに消えてしまい、その代わりにオヤジやマルコ達の笑顔と笑い声が聞こえてきた。

こんなにも離れた場所にいるのに、何故か懐かしさを感じないのは本当の家族になれたからなのかもしれない。

「そうか。だったら、いつまでも居てやればイイんじゃねーのか?」
「ハハハッ!ゾロもルフィと同じこと言うんだな。」
「ダメ、か…」

グーグーと寝息をたてる弟のあどけない表情に後ろ髪を引かれると言えば嘘ではない。なんなら、このまま残って海賊になった日から今日までの、兄のいない生活を取り戻してやりたい。兄として。

「逆はどうだ?噂ぐらいは聞いたことがあるだろ?」
「あぁ。噂ぐらいは、な。だが、それを決めるのは俺じゃない。コイツだ。」
「慕ってくれてンだな。」
「船長だからな。」
クイッと三日月の空に目を向け、まるで迷いの無い回答に少しホッとした。
「コイツ、かなり無鉄砲で、一度決めたことはぜってぇ曲げねぇからさ、オメェも苦労してるだろうけど、頼むよ。」
誰かに、俺ではない誰かに、ルフィを託す日が来るとは思いもよらなかった。
しみったれた話も嫌いなはずなのに、沈黙すると視界がボヤけた。穏やかな波のように。
「わかった。だが、ルフィがどうしてもあんたを欲したら、その思いに応えてやれよ。」
「……あぁ」

イイヤツだ。
俺には選択肢は一つしかなかったのに、底に仕舞っていた望みを知ってるとは。

離れたくない気持ちと裏切りたくない気持ちが、交差してることも手に取るように知ってたんじゃねぇかと思うくらい。

本当に、いい仲間達だな。

違うな。


家族、か。


END

ちょっと、エーゾロなのかな((((゜д゜;))))アセアセ

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