運命の分岐点
□9章
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郁莉子様。
突然現れて、世話を任され。
そして我が君に傷つけられ・・・。
しまいには私と私の家族の未来を語り。
気がついたらそれが現実になり。
「ルシウス。俺様がお前の杖をご所望だ。」
少しでも貴女を疑ってしまった私を許してください。
そして・・・
「そうだ。あの女の世話はもういらない。」
あなたとまともに会話することなく傍を離れることになりました。
「ルシウス?!何かあったの?」
妻が優しく声をかけてくる。
「大丈夫だ。」
「でも・・・・・・・・・杖はどうしたの?」
「我が君がお持ちだ。」
「・・・・っ・・・?!」
「それと・・・・話しがある。」
私は、妻にあなたから言われたことを話した。
これから何が起こるのか。
どうすべきなのか。
妻は真剣に聞いてくれた。
目に薄っすらと涙を浮かべ・・・
「私はその郁莉子様にお礼を言いたい・・・。」
こう言った。
すぐに息子に梟便を送った。
どうか私達に会うまで・・・
元気に生きろと。