B・B

□伍
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「・・・・・さぁ、座るがいい。
お前の席は作ってある。」

一斉に、全員の目が私に向いた。
ギラギラとした目、怯える目、軽蔑する目。

「・・・・・・何をしている。」

「・・・・・あ、はい、失礼いたします。」

「・・・・・・さぁ。
話しに戻ろう。」

全員が帝王に目を戻す。

「魔法省が持っている、リストが必要。
そうであろう?
アブラクサス。」

「はい、その通りにございます。
奴等の持っているリストには、死喰い人疑惑としてリストアップされている者も多いでしょう。
それだけではなく、我々に対抗しようと企てている者たちの目星もつくやもしれません。
しかし・・・これは厳重に管理されている情報でございます。
盗み出す手立てなど「もうよい。」

帝王が話しを中断させる。
全員がビクリと反応した。

「・・・・・・・・さぁ、誰か良い考えのある者は?
お前はどうだ、ニーゲル。」

「・・・・・は・・・・・はい。
魔法省なら、私が行ってきます。」

「お前みたいなガキが軽々しく言うな!!」

室内がざわつく。
罵声を浴びせたのは、先ほどの男だった。

「・・・・・・・・・・ウィルクス。
なら、お前の意見を言うがいい。」

帝王の目が強い光を放つ。
ウィルクスは一瞬肩を強張らせ、意地悪く言い放つ。

「っ・・・・俺は、こんな奴には無理だと思います・・・・・。」

「・・・・だ、そうだ。
お前はどうだ、アブラクサス。
魔法省の情報はそれほど厳重に管理されているのか?」

「・・・・・ヴォルデモート卿。
私は、この娘の力を把握しておりませぬゆえ、確言はできません。
しかし・・・・少なからず簡単に行く仕事ではない。
ひとつご提案が。」

「申せ。」

「この娘が本当に使える者なのであれば、今回の件を利用しては?」

「・・・・・どう思う、アドゥル。」

「わ・・・・我が君・・・・・。
私は・・・・・こやつ1人でやらせるには不安にございます。
い・・・いくら・・・なんでも・・・・。」

「・・・・・素直な意見だ。
さて。
お前たちはこいつの力を知らぬ。
俺様も、正直確信が持てるわけでもない。
・・・・ならばこうしようではないか。
アブラクサスの言うとおり、これは絶好の機会だ。
これからも死喰い人に必要な人材であれば、今回の仕事も易々とこなすであろう。
いらぬ者ならば・・・それまでだ。」

帝王は静かに私を見た。




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