B・B

□弐
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「・・・・・・・・・・ここは」

手足の感覚が無い。
当然だった。
きつく縛り上げられていたら、感覚が麻痺するのも。

「生きてる」

「黙れ。
我が君がお呼びだ。」

ガクっと、体を引き上げられる。
そのまま、ひきずられて階段を上がり、ついた部屋に転がされた。
そいつは、さっさと部屋を出て行った。
違う。
下がったんだ。
なぜって。
私を殺そうとした相手が、そこに居るから。
ヴォルデモート卿・・・・・闇の帝王が。


「無様だ。
・・・・・非常に無様だ。
だが・・・・・・お前には興味がある。」


そして、手足の縄が解けた。


「俺様に服従することを誓え。
それができぬのであれば・・・・・死ね。」


静かに見下ろされた。
その目は、静かに答えを催促していた。


「あなたが・・・・・あなたがこの魔法界を治めたら・・・・・・・闇祓いや魔法大臣を皆殺しにしてくれる?
腐った日刊預言者新聞を書いている奴等を・・・・・・・消してくれる?」

「・・・・・・・お前は何にこだわっている。
何を望んでいる。」

「復讐。
それだけを・・・・・。
奴等に・・・・・・・・。
それを望む。」

ヴォルデモート卿は、ゆっくりと歩み寄ってくる。
その目が、私の目を捕らえる。
深く抉るような目は、血のような真紅に染まっていた。

「・・・・・・・・・・お前の力は邪魔だ。
だがそれは、敵に回すならばの話。
・・・・・・・・もう一度尋ねる。
俺様に、服従しろ。
忠誠を誓うのだ。
・・・・・・さすれば、お前の復讐も叶う。」

断ったら殺される恐怖より、復讐への、甘い囁きが。
幻聴のように、頭の中に響く。



お前が生きる道は、服従のみ。
俺様に服従しろ。
俺様に忠誠を誓え。
お前の能力は、死喰い人には惜しい。
みすみす殺されるほど、お前は低脳か?
お前の復讐には、俺様の力を欠くことができなくなる。
お前のためにも、俺様に服従するがいい。




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