02/07の日記

22:40
嬉しかったこと
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今まで暗い話題でしたが、嬉しいこともたくさんありました。

知的障害故の純粋さにどれだけ救われたでしょう。

私が入り口で泣いていると、ダウン症という障害をもった方がニコニコしながらトコトコと寄ってきました。

「○○さんゴメンね。私まだ入れないの」

と言うと、彼はまたニッコリ笑い、「おかぁえり♪」と言ってきました。

私の謝罪の言葉とのキャッチボールはできていませんでしたが、彼は私が苦しんでいるのをよくわかっていたのでしょう。

知的障害の方は私たち支援員よりも人の行動や気持ちに敏感です。

そうでない方もいらっしゃいますが。

話しを戻します。

「おかぁえり♪」と言われた後、私は「ありがとう、ただいま」と答えました。

すると彼は私の手を握り、「一緒に行こう〜」と言ってくれたのです。

その方は散歩や外出が大好きで、最初は一緒に散歩に行きたがっているのかと思いました。

しかし彼が手を引いて歩き出したのは施設の中だったのです。

施設の中でも一緒に歩くことはありましたから、一瞬ビックリはしましたが、彼の存在が心強く、中に入ることができました。

驚いたのはその後です。

彼は相変わらずニコニコしながら私の手を引きながら支援員の集まるスタッフルームまで連れて行ってくれたのです。

そして「ついたぁ」と嬉しそうにニッコリ笑い、「ばいばい」と言い残してまたトコトコ歩いて去っていきました。

彼は私をスタッフルームまで連れてきてくれたのです。

泣いている私に気づき、支援員である私が最初に行かなくてはならない場所へ連れて行ってくれたのです。

それがどれだけ嬉しかったことでしょう。

その時初めて施設の中で嬉涙を流しました。

今でもかれの存在は私にとって大きなものです。

ダウン症の方はわかりやすく言うと、健常者よりも早く年をとっていきます。

もう彼は高齢者と言っていいほどの外見ですが、中身は純粋無垢な少年のような方です。

この先この人が私より長く生きることはないでしょう。

ならば助けてくれた彼の為に、どんなことがあっても彼のそばにい続けることが私のできる精一杯のことだと感じました。

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