賢者の石
□02 光のその先に
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暗い闇。
虚無の空間。
そこにいるのは、
この場にそぐわないひとりの子供。
胸に小さな"絶望"という闇と、
それと比べ物にならない
"勇気"という強い光を持った、
しかし、まだ小さな少女。
迷い子だろうか?
なぜここにいるのだろうか。
そこに、いてはいけない。
きみの力は強大すぎる。
……闇に、連れ去られてしまう……
何の確証もないが、直感がそう察知した。
いけない。
ここにいさせてはいけない。
頭の中で警戒音がなっている。
”こういう直感は、
信じるほうがなにかと得なんじゃよ ”
そして、
夢の主は迷うことなく杖をとりだし、
静かに唱えた。
「Veni… Veni… Intres.」