賢者の石
□01 プロローグ
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夢を、見た。
体が暗闇に落ちていく。
力が入らない。空中に投げ出される。
そのとき
白い光につつまれた。
……それは、暖かい光だった……
pipipi...
pipipi......
「ん……」
目覚ましの音で目が覚める。
朝か……
私はまだ覚醒しきらない
重い体をゆっくりと起こした。
覚醒してくる頭とともに、
自分の頬をぬらすなにかに気づく。
「(涙……?)」
泣いていたのか。
そういえば、
とても不思議な夢を見ていたきがする。
”夢だから不思議なのはあたりまえ”
とか言われればそこまでだけど、
それにしても変に記憶にのこって
気持ちの悪いかんじだ。
そんな気持ちのわるい感覚を
払うかのように、
私は頬をぺちぺちとたたくと、
せかせかと
学校へ行く支度をはじめた。