短編集

□クリスマスの約束
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季節の夢小説集その1




■セブルス学生時代設定。


******



「はぁ・・・」



窓のそとを眺めながら、
ため息をついた。


もうすぐクリスマスだけど、
私の心は沈みに沈み込んでいる。



「どうした」



セブルスには
ため息が聞こえてたみたいで、

窓から
声のしたほうに目をうつすと、

本から顔を上げて
私の様子をうかがうセブルスと
目があった。



私がため息なんて
珍しいって言いたそうな顔してる。

でも、少しだけど心配はしてくれてるのは、
その眼から感じ取れた。


だけどさ、
私もため息くらいつくときはつくんだよ?
だって、重大な悩みごとなんだから。



「だって……
 
 今年のクリスマスは
 ここにのこってセブルスと
 クリスマスパーティーって
 決めてたのに!

 父さんからの命令は
 絶対だから。
 
 今年は家に帰れってさ……」



「はぁ……
 そんなことか」



セブルスが
あきれた声音でいう。



「そんなことって!
 これは重大なことなんだよ!?」



「わめくな、うるさい」



重大なことを
そんなこと呼ばわりされたうえに

うるさいって、うるさいって言われた!!
なんて、沈み込んでうつむいていると、

しばらく何か
考えていたらしいセブルスが

小さく何かぼそぼそとつぶやいた。




「……ダイアゴン横丁……」



「え?」




聞き取りづらくて顔をあげると、

そこにはいつも以上に
眉間のしわを作った
セブルスがいた。


そっぽをむいて耳なんて真っ赤で、
なんか見てて面白い。


そしてセブルスは、もういちど
私とは目をあわせないままつぶやく。



「だから……

 クリスマスのことだ。
 もし、…時間があるならだが、
 ダイアゴン横丁で会っても……いい。」



「ほんとに!?」



やばい、にやけるのがとまらない……

うれしくてうれしくて
愛しくてたまらなくって
私は目の前のセブルスに
勢い良くだきついた







「な……っ!!」







セブルスが
顔をまっかにしてもがくけど
はなしてあげない。



クリスマスまで
しばらく会えないんだから
今日くらいは・・・






こんなに素敵なプレゼントをくれた
サンタさんに感謝しながら、


セブルスとおんなじくらい
真っ赤になっているであろう顔を
セブルスの胸にうずめて、


私はもういちど、
彼を抱きしめる手に力をこめた。







END

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