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□2:目線、はずれがち
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今は魔法薬学の授業中。

それは、皆が一番嫌がる授業。

だけど、私が一番大好きな授業。





もちろん、純粋に薬学の授業内容が
面白くて得意だからっていうのもある。

でも、一番の理由は、この授業を
スネイプ教授が担当しているからだった。





スネイプ教授は、
私がずっと片思いしている相手だ。


まぁ、先生と生徒だし。
年もだいぶ違うし。
それに私、グリフィンドールだし。



・・・思いが通じる可能性なんて
ほぼ0にちかい。

いや、確実に0だろう。




あぁ、自分で言ってて憂鬱になってきた・・・







私は今もまだ片思い中。

そして私の片思いはもう、
3年目に突入していた。

われながら、すごい執念だとは思うが、
この思いはだれにも譲れなかった。





だからこそ、
なんとしてでも!

せめて少しだけでも!

私を気にかけて欲しいと思って。


私は最近、授業中は調合のとき意外
常に教授に熱視線を送ることに決めていた。







だが、なかなかに目があわない。

あいそうであわない。

なんでだろう。




あぁ・・・もどかしい・・・






頭の中でそんなことを
もんもんと考えながら、

そんな顔を微塵にもださずに
黙々と調合の作業に手をうごかす。




ふと、視線を感じて顔をあげると、
教授と一瞬、だが確実にばっちりと目が合った。



「!!」




どくん。

瞬間、心臓がはねて、
私はあからさまに視線をそらしてしまう。

さっきまであんなに願ってたことなのに!
チャンスだったのに!


…しかし、さっきから顔がほてって仕方が無いのだ。

目が合っただけなのになんでだろう。



そうだ、不意打ちすぎたのだ。
教授がわるい。

と、ひとまず教授のせいにしておいた。





やっと落ち着いたので顔をあげると、
教授は別の生徒の様子を見にいく最中だった。


今日も失敗かなぁ・・・作戦。
私はできあがった薬品を
教壇の机に置くと、
ため息をつきつつ席に戻った。





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