賢者の石

□12 飛行訓練
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大広間の入り口で
セブルスと別れたユキは、
ハリーとロンを見つけ、
手を振って駆け寄った。


2人もそれに気づき、
手を振り返す。



「隣、いい?」


「もちろんだよ!」



ユキは、彼らの隣の席につくと、
お皿にチキンと、
それが埋まるほどの野菜を取った。



「……ユキって、
 ほんと、野菜好きだよね」



ハリーもロンも、
ユキの前に置かれたそのお皿をみて
唖然としていたが、

ユキは、
そうかなぁ? と首をかしげると、
その野菜を次々口に放りこむのだった。













結局、ユキが食べ終わっても、
ハーマイオニーが大広間に来ることはなかった。




ユキが部屋にもどると、

それに気づき、
とたんにパッと本から顔をあげてから、
しまった…、という
表情を浮べるハーマイオニー。



「ごめんなさい、私ったら…!
 ユキがせっかく
 注意してくれたのに、
 夕食のこと、すっかり忘れてたわ」



「いいよ、

 ハーマイオニーが
 一度スイッチはいったら、
 周りが見えなくなっちゃうほど
 集中しちゃうのは分かってるし」




ユキは、肩をすくめて見せた。

ハーマイオニーは、
申し訳なさそうにうつむいた。









「ほら、これ!」


しかし、ユキが
机においてある小さな包みを手に取り、
差し出してきたので、
ハーマイオニーは顔をあげた。




「なに、それ?」



「お菓子。
 知人から貰ったものなんだけど、
 私、食べ切れなくてとっておいたの。
 お腹、すいてるでしょ?
 何か食べないと」




とたんに、
ハーマイオニーの顔が明るくなる。



「ユキ…、
 ありがとう」


「どういたしまして!
 
 さ、食べよ! 
 ほら、これとか、
 美味しかったからおすすめだよ」









そうして、水曜の夜は、
お菓子の甘い香りとともに更けていった。





  
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