流転の謳歌。

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 ぴき…

 『ん…いやだ……』

 ぴき…ぴき……

 『やだやだ…ちょ、待ってよ、まだいやだ…』

 鼓膜を通してではなく、ダイレクトに脳内に響く音
 絶えず響き、そしてあきらを浸食するこの音が、大嫌いだ

 『くそ…なんで……』

 この間までは、まだそうはいっても膝までだったのに

 『くそ…いやだ!!止まれえええええ!!』

 どこよりも真っ黒い空間の中で、何よりも真っ黒い氷に侵される



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