屑月花
□降臨〜覚醒と離別〜
1ページ/105ページ
所変わって、里の診療所。
「先生こちらの方意識が…っ」
「先生こっちも」
「こちらの方新規です!」
もう夜で周りは、明かり一つ点いていないと言うのにここだけはくっきりと、光と助手たちの騒ぐ声が響いていた。
いつもならとっくに終わっている筈なのに。
今日は日が落ちてからというもの、何故か
患者が引っ切り無しに押し寄せて来たのだ。
しかも、その全てが"原因不明"の症状で。
『また来たのかっ?!…これじゃあ今夜は帰れんな』
「また来ました!同じです!」
そう言われて振り返ってた医師は大きく、息を吐いて、入口の方へと走って行った。