私が生きる場所

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―――沈黙に包まれた大広間。


固まっている貴族達を気にもせず、ヒバリはハルの手を引っ張って自分の部屋へ向かった。




―――――――――――――――
ドサッ
「きゃぁ!!」

部屋に着いてすぐ、ヒバリはハルを自身の豪華なベッドに投げた。そのままヒバリもハルの上に覆い被さると、
「あ、あの……」

ハルが怯えた声を出した。

「あの、ハルに何を……?」
「僕は男で、君は女。そしてここはベッドの上。する事は一つだと思うけど。」

そう言って、ヒバリはハルの首に舌を這わせて服を脱がしにかかる。
たちまちハルが暴れ出した。


「…っ!やめてください!やめて、やめて!!」
「何を今更。君の国は負けたんだよ。」
「んぅ…やだぁ…っ!…女なら誰でもいいのでしょう!? 」
「今まではね。でも君を見たとき、何か感じたんだ。」

それは本当だった。何故かハルを見た瞬間胸が高鳴るような詰まるような、そんな気持ちになった。
しかしハルは、ヒバリの言葉を聞いてもなお暴れ続ける。

「ハルには約束が…!! やです、ヤマモトさん、ヤマモトさん!!」
「……!!!!」

ハルが最後の言葉を言った瞬間、ヒバリは動きを止めてハルを見下ろした。何故だか、身体中の血が煮えるようないいようのない怒りで身体が熱くなっているのを感じた。

「誰?」


ヒバリが聞いてもハルは横を向いたまま、答えない。
それに更に苛立ったヒバリは、ハルの顎を掴んで無理やりこっちを向かせた。


「男の名前でしょ?誰なの?」

顔を近付けて問う。


「…、ハルのお慕いしている方です!子供の頃からずっと… だから、ハル、ハルはあなたに抱かれるのは嫌です!」

強い目だった。
ハルの決意の固さを表すかのように。


「絶対に?」
「殺されてもあの方以外に抱かれるのは嫌です。」

その言葉を受けて苛立ちが強まったのを感じた時、ヒバリはこれが嫉妬だということに気付いた。

そうするとこの気持ちは……恋?この僕が、恋?この子のことを僕が?でもなぜかすごくしっくりくる。


ハルからゆっくりから体を退けて、ヒバリは言った。

「ちからづくでもできるけど、無理矢理はしないことにしたよ。」
驚いているハルと目を合わせて続ける。


「僕、君の事が好きみたいだし。」
「えぇ!?」


「大丈夫、必ず僕の事好きにさせてあげるから。」


そう言い放ったヒバリの顔は獲物を狙う肉食獣のようでもあり、また、ひどく妖艶だった。

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