僕はナルじゃないよ!

□温かい人たち
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「こっちだよー」


ちょいちょいと手招く京子ちゃんの後を追い、僕は一つの部屋に案内された。


そこは可愛らしいぬいぐるみや絵本が置いてあったため、京子ちゃんの部屋だろうと思った。


全体的にピンクなどの暖色でまとめられ、とても可愛らしい部屋だ。




「れいくんって、あたしのおうちのまえのおうちにすんでるんでしょ?」


キラキラした瞳で京子ちゃんは僕を見ていた。

なんだか子猫を思い出してしまった僕は危ないのだろうか。




「そうだよ。屋根が青い家が、僕の住んでる家」

「やっぱりな!おれはまえからおまえときょくげんにはなしてみたかったぞ!」


意気込む了平くんに、僕はきょとんとした。

何しろ部屋で目覚める以前の僕を僕は知らないのだ。


「どこかで会ったっけ?」


少し危ない賭だが、相手はまだ子供だ。誤魔化せるだろう。


「れいがときどきにわではなのせわをしているのをみたことがあるのだ!」

「まだはなしたことがなかったから、はなしてみたかったんだよ!」

「……そうだったんだ」




なるほどね。

僕と接点はなかったのか。


それなら、これからの行動に支障を来すことはないし、動きやすい。




「じゃ、改めて。小学校も一緒だし、これからよろしくね」


にっこり笑えば、彼らも嬉しそうに笑い返してくれた。


「「よろしく!!」」













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