12/02の日記

12:34
[ただ愛されたいと] 撮影風景
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(ああ…同じ目だ…)

 …何故か、涙が溢れた。今日はもう何度泣いたことかわからない。

「泣くな、純…」

 涙を拭う指先と、優しい声。
 胸の奥で、甘い感情が疼いた。



「お願い…キスして…」















[燐紅]←監督
…ちょちょちょっ!カットカーット!

[友坂]
む〜…止めないでよ〜いいところなのにぃ。

[桐原]
…お前が勝手に台詞を変えるからだろうが。

[友坂]
いいじゃん別に。

[桐原]
いいのか?

[篠樹]←見学中
いいんじゃないですか?

[燐紅]
よくないですよっ!お願いですから台本通りにしてください!

[友坂]
…だぁってぇ、台本通りにしたらさぁ…。

[帆村]←見学中
もはや精神崩壊を起こしていた友坂は殺人衝動と愛情の区別が不能になり、桐原社長を刺殺したあと自らも命を絶つという結末になるはずでしたよね。

[友坂]
ヤダぁ!そんなのヤダぁ!うわぁーん!

[桐原]
本当に泣くなよお前…。

[帆村]
演技で泣く時は上手いですよね。

[篠樹]
感受性が強いし、若い割に人生経験が豊富な子だからね。

[友坂]
そんなのできないぃ…死んじゃヤダぁ…ふえぇ…。

[篠樹]
…とりあえず慰めておきましょうよ。

[桐原]
へいへい…よしよし…。

[燐紅]
あの…なんか私が悪者みたいな空気なんですが…。

[篠樹]
少しくらいは妥協したら?最後まで暗い話にこだわらなくたって、ほんの少しでも救われてる終わり方でいいんじゃない?

[帆村]
そうでなければ登場人物が死にすぎです。

[篠樹]
君以外全員だしね。

[燐紅]
確かにそうですけど…フラグの回収とか色々と都合的な問題が…。

[桐原]
別にいいだろ。そんなご大層な話が書けるわけでもあるまいし。

[燐紅]
うぐ…。

[篠樹]
不都合があるとするなら、帆村君がその後どうなったかの描写がなくなるくらいだろう?

[帆村]
私が友坂と社長の死体を発見するモノローグで締める予定でしたからね。

[篠樹]
その辺は読者の想像にお任せするってことでいいんじゃないかな。兄さんと友坂がどうなるかも想像させればいいじゃない。

[桐原]
まぁ俺は死ぬだろうがな。

[友坂]
わあああぁ〜ん!

[篠樹]
あーあ、せっかく泣き止みかけてたのに。

[桐原]
…俺のせいか?

[帆村]
発言の頃合いを誤っただけかと。

[燐紅]
あのー…スケジュール押してるんですけど、どうすれば…。

[篠樹]
主役の意見を聞いたら?

[友坂]
死ぬのとかもうヤダッ!!

[桐原]
だそうだ。

[燐紅]
わかりましたよ…台本修正しておきますから…。




























[篠樹]
…で、ラスト変更した本当の理由は?

[燐紅]
…製作期間の問題と、私の精神状態の問題です…。

[帆村]
結局は作者が原因ですか。

[篠樹]
まぁ最後まであの鬱展開を保つには、まともな精神力がないと書ききれなかっただろうね。

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