09/24の日記

23:13
[篠樹・帆村・桐原]軽くSS並の長さでお届けします
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[帆村]
お誕生日おめでとうございます。

[篠樹(32)]
あ、前置き無しでいきなりそれか。

[帆村]
前置きが必要でしたか?

[篠樹(32)]
いや、無い方が君らしくていいかな。

[帆村]
そうですか。

[篠樹(32)]
うん、ありがとうね。誕生日ねえ…いくつになったんだろ。

[帆村]
我々の年齢は誕生日を過ぎても変わらない仕様のはずですが、とりあえず先程からあからさまに教授の名前の横にある数字が年齢ではないでしょうか。

[篠樹(32)]
私もそうだとは思ってたんだけど、そもそも何故私だけ年齢表記してるのかな。

[帆村]
年齢を表記しないことで何か問題が起こるのでしょうか。

[篠樹(32)]
だとしたら……………あ、わかった。

[帆村]
なんです?

[篠樹(32)]
君の後ろだよ。

[帆村]


[???]


[帆村]
わっ!?だ、誰ですかこの子!

[篠樹(32)]
さっきまで兄さんと読み合わせしてた子だと思うよ。

[帆村]
読み合わせ…桐原社長とは教授と読み合わせをしておられたのでは?

[篠樹(32)]
最初はそれでやってたんだけどねえ、途中で兄さんに「お前が相手だと気持ち悪い」って言われてさ。代わりにその子にやらせてたんだ。

[帆村]
…気持ち悪い?

[篠樹(32)]
なんせ20年以上も前の話だから。今の私が演じるのは物凄〜く違和感があるってことなんじゃないかな。

[帆村]
ということは、この子…。

[???]
……。

[篠樹(32)]
そう。ねぇ君?自分の名前言える?

[篠樹(7)]
…………しのきこうえい。

[篠樹(32)]
と、いうことなんだね。

[帆村]
……。

[篠樹(7)]
……。

[篠樹(32)]
…あれ、二人とも見つめ合っちゃってどうしたの。

[帆村]
いえ…何と言うか、随分とおとなしい子供だったのですね。

[篠樹(32)]
うん。意外?

[帆村]
そういうわけではありませんが…。

[桐原]
――お、お前らここにいたのか。

[篠樹(32)]
あ、兄さん。

[篠樹(7)]
に〜さぁ〜ん!

[帆村]
え…。

[桐原]
なんだ、二人に遊んでもらってたのか?

[篠樹(7)]
えへへ〜。

[篠樹(32)]
随分と懐いてますね。本編の私たちの関係とはだいぶ掛け離れてると思うんですが。

[桐原]
そうでもないだろ。これくらいの頃のお前はこんな感じだったぞ。今と比べて桁違いに可愛い気があるな。

[篠樹(32)]
…可愛い気に関しては否定しませんが。

[桐原]
コウは兄さんのことが好きだよな。

[篠樹(7)]
うんっ。

[篠樹(32)]
私は嫌いですよ。

[桐原]
お前じゃねえ、ガキの方に聞いてんだ。

[篠樹(32)]
お約束じゃないですか。
ではコウ君。こっちの美人なお兄さんと信一郎兄さんどっちが好き?

[篠樹(7)]
……にいさん。

[帆村]
……。

[篠樹(32)]
おかしいねえ。私と同一人物なのに、さほど迷わないで兄さんを選ぶとは。

[桐原]
歳をとれば嗜好も変わるってことだろ。

[篠樹(32)]
そういう言い方しますか。とはいえ、嫌う理由はどこにも無いわけだし、こっちのお兄さんだって兄さんの次くらいに好きだよね?

[篠樹(7)]
……。

[帆村]
……。

[桐原]
…怖いんだろ。

[篠樹(7)]
……(こくん)

[帆村]
う…。

[桐原]
やっぱりな。いつもむっつりだからガキに怖がられるんだよ。

[篠樹(32)]
もともと顔が怖い兄さんが言える台詞ではありませんね。

[桐原]
何か言ったか?

[篠樹(32)]
さて、そろそろ私たち二人きりにさせてくれません?誕生日くらい、私の我が儘を聞いてほしいんですがね…お兄ちゃん?

[桐原]
……わかったからそのボツネタを引っ張り出すのだけはやめろ。悪寒が止まらなくなる。

[篠樹(32)]
じゃ、ばいばいコウ君。

[篠樹(7)]
…ばいばい。



[帆村]
……。

[篠樹]
…小さい私に怖がられたのが、そんなにショックだった?

[帆村]
…いえ…。

[篠樹]
そんなに気に病まなくても…今の私は、君を拒んだりしないよ。

[帆村]
……よくそんな恥ずかしいことが言えますね。

[篠樹]
相手が君だからじゃないかな。

[帆村]
また…。

[篠樹]
ところで、君にも誕生日の我が儘…聞いてほしいんだけどな。

[帆村]
…なんです?

[篠樹]
友坂が誕生日で兄さんに言ったこと、そのまま君にもお願いしたいんだ。

[帆村]
……!!

[篠樹]
…あれ、真っ赤になった。面白い。

[帆村]
か、からかうのもいい加減にしてくださいっ!

[篠樹]
ふふ…やっぱりわかってるね、君は。

[帆村]
…何がですか。

[篠樹]
君がそうやって困ったり、焦ったりしているのを見ていられるのが、私にとって一番の喜びなんだよ。

[帆村]
…そういう言い方をして、更に困らせるわけですね。

[篠樹]
慣れたものだろう?

[帆村]
…認めたくありません…。

[篠樹]
…本当、それが最高のプレゼントだよ。ありがとう。

[帆村]
…不本意極まりないです。

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