LOVE ME TENDER
□約束の証
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と、そうこうしてるうちに、受話器がバタバタと近づいてくる足音を拾い上げてきた
『ちょっ……エド……っ、あんたこれ………っ』
見つけたか?
『…………これ………』
指輪
『………………っ………』
欲しがってたろ?約束した、証
『〜〜〜〜〜〜……っ……!』
仕掛けたのは確か、一昨年の秋の“あの日”
中央の宝石屋で数週間前に頼んでおいたエンゲージリングが出来上がったと手紙が届いてすぐに取りにいった次の日
“狙った”わけじゃなく、たまたま忘れてはいけない日と重なった
なんの因果か
銀時計に刻んだあの日と重なった
『……よく開けないってわかってたわね』
埃の量と鍵のさびつき具合を見りゃあな
『まったく気づかなかったわ』
ウィンリィ、部屋ちらかってるからなあ、あそこじゃないと仕込んだ俺も忘れちまいそうでさ
『悪かったわね部屋が汚くて!』
何お前、ひょっとして泣いてんのか?
『ばっ…泣いてなんかないわよ!埃っぽいところ行ったり来たりしたから鼻がむずがゆいだけ!』