memento mori _We Are Ghost Hunters!!_(オリジナル小説)

□一、
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あの時の俺はほんとどうかしてた。
『除霊、降霊、交霊、霊に関することならなんでも承ります。
下野県 佐上市 明日町 47-5
ゴーストハンターズ』
馬鹿げたネットの広告に乗せられて、なんか出そうな廃屋にまで入っちまって。(実家のすぐ近くだったが)
いや、そんなのは序の口だ。

廃屋の腐ってるようにしか見えない扉を開けると、案外小綺麗な一室が顔を出した。
まともな一般家庭のリビングといった印象だ。
あれ、場所間違えたんかな?
「間違ってなどいないぞ、少年!」
とう!
とかなんとか言って天井から赤い戦隊ヒーローもののマスクを付けた優男が降ってきた。
「もう心配する事はない。なぜなら僕たちは…」
ふっ!
はっ!
すたっ!
Rock!
とかなんとかいう効果音を発して最初の男の仲間らしきものが次々と天井から降ってくる。
レッド
ブルー
イエロー
ピンク
ブラック
実に鮮やかである。
そして、彼らは皆、無駄に洗練された無駄の無い無駄な決めポーズを取り

「「「「「ゴーストハンターズ!!」」」」」
「…だからな!」

無駄に完成度の高い、無駄な登場シーンを締めくくった。


……
………あ、馬鹿だこいつら。
当然、そう思ったさ。
けど、
けど、なんでだろうな。
それ以上に、なんか、こいつらカッコいいな、とも思っちまったんだ。

な、どうかしてるだろ。
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