mement mori (オリジナル小説)※現在更新停止中

□序
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少女は言った。
「君は、どうしてそんなに苦しそうなの?」
「・・・」
少女は言った。
「君は、どうしてそんな事をするの?」
「・・・」
少女は言った。
「君は何を考えているの?」
「・・・」
少女は喚いた。
「忘れたの?!私は……が無くなっ……たのに!!
思いだしてよ!!……が…てくれなければ、私は………ないんだよ!!!」

それは無理な願いだ。
なんせ今の僕には、言葉を作る脳が無い。
・・・いいや、「僕」じゃない。
僕はもう既に「俺」なんだ。
「僕」は死んだ。飼い殺されたんだ。
代わりに「俺」が生まれた。

でも、雫は雫のままだ。

雫はいつまでもそこに居るしかないんだよ。










がさり。
布団を払いのける音。
じりりりり。
目覚まし時計が鳴る音。
「・・・はぁ」
また同じ夢を見た。
最近はいつもこの夢ばかり見る。
雫という名前の少女が、眠っている少年に問いかけるのだ。
そして、眠っている少年は、いつのまにか、自分とそっくりな姿になり、少年が考えていることは、自分が考えていることになるのだ。
正直、気味が悪かった。
夢というものは、自分の中の潜在意識が大きく内容を左右している。
だから、夢には自分が知っている物や、人物がよく出て来る。
しかし、俺の記憶に雫なんて変わった名前は一つも無かった。
では、なぜこんな夢をみ・・・
「め〜いちゃ〜ん、手紙がきてるよ〜」
「所長、早く降りてこないと、メシが無くなるぞ?」
「みこと‼仕事じゃ、仕事じゃ!!!!!!久しぶりに仕事がきおったぞ!!!!!!」
桐山 命(きりやま みこと)
現在17歳
学校にはいっていない。
一応社会人だ。
職業は、駆霊屋さん。
最近の悩みは、部下達が仮にも上司である俺に対しての敬意を少しも感じられないことと、
まるで女の様な、妙なあだ名をつけられたことと、
自分の部下に、胃だけやたら大きく、脳みそは空っぽな奴が増えたのと、
あと、仕事がなかなか来ないことだ。
この物語は、そんな俺と、
愉快な(苦笑)仲間達が経営する、
「桐山駆霊所」
に、一通の手紙が送られて来たことから始まる。

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