オリジナル

□朝の蛍
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 強い日差しが肌を焼く。いつも病人のように色白な僕も、ほんのりと小麦色に焼けてきた。日差しとは裏腹に風はまだ涼しい。
 電車が走る。踏み切りの音が街中にカンカンカンと響いた。やがて、近づいて、大きくなって、小さくなって、遠ざかっていった。



深呼吸をする。


「…行くか。」
また小さく呟いて、線路をまたいだ。
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