【極秘リング編】(完)

□それから
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それから時間がたち

街は元に戻り
何気ない毎日が始まった


ミキの事を
ハルや京子ちゃんに伝えると
泣いていた


でも今はまた元気を取り戻しすっかりいつもの二人に戻った





「遅刻する!!!」

俺は勢いよく家から飛び出した


すると後ろの方から


『キャー!!遅刻しちゃう!バス乗り遅れちゃうよ!!』


女の子の声がした
聞いた事があるような声…
俺はフッと振り向くと

そこには
確かに見た事のある人が


(ミキっ!!?)

忘れもしない
あのミキが
いますぐ近くに居た

そして俺を見ずそのまま
目の前を通り過ぎていく


ポトッ

ミキが何かを落として行った
でも本人気付いていない、俺はそれを拾うとすぐさま


「あ、あの!!これ!落としましたよ!」


と声をかけると
ミキは止まって振り向いた

『あっ!!すみません!!』

と俺の所へ来て頭を下げた

俺から落とした定期みたいな物を受け取ると

『ありがとうございました!』

とまた頭を下げる

「い、いえっ!」

俺はちょっと動揺してしまった。だって近くにミキが居たから


「ヒカル!!バス来ちゃったよ!!早く乗らないと!!」


『あっ!!いけない!!いま行く!!じゃあ…』

とバス停に居る友人の元へと走って行った



(ヒカルって名前…)


ミキじゃないのか…

そうだよな…

同じ人は世界に三人居るって言うし

俺は人違いだと想い

また学校へと向かった
















バスの中

「ねぇ、ヒカル」

『ん?』

「今の男の子、知り合いなの?」

『ううん、ただ落とし物を拾ってくれただけだよ』

「なんだーヒカルの彼氏かと思った…」

『んなわけないじゃん!私、ちゃーんと好きな人居ますから!!』


「また始まったよ…例の夢に出てきた人でしょ?」

『うん!強くて、格好いい素敵な人!さっきの人、似ていたなぁ』

「はぁ?これで何回目よ…あんたの似てる発言…」


『えっ?』

「所詮夢よ!夢!今を現実を見なさい!そんな顔も覚えていない人より、もっと素敵な人いるから!」

『た、確かにそうだけど…』



夢に出てきた素敵な人

強くて優しくて、笑顔が似合う人

そう…

あの綺麗な大空のような…

顔も夢だからよく解らなくて

でも私はその人が好きになったんだ…


私の初恋…


いつか同じ人が私の前に現れたらいいな…




私はバスの中から青空を見上げてそう想った









おわり

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