ラプンツェルの後ろ髪
□No.2
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ご機嫌よう、アリス。
一人ぼっちの、可愛いアリス。
だけど、此所では君は一人ではない。
誰もが君を望み、愛す。
可愛いアリス、可哀想なアリス・・・
おや?
古傷が痛むのかい?
君の胸に、大きく付いた傷。
治った様で、治っていない・・・。
私が、傷を癒せるだろうか?
では、想像したまえ
この私の指が、唇が、君の傷に触れる。
痛むかも知れないが、そんな顔も、嫌いではないよ。
アリス、泣きたければ泣いても構わないよ。
此所に居れば、傷なんてどうでも良くなるさ。
此所では全てが、君のモノ。
人、建物、世界、君が望めば、何だって彼らが揃えてくれる。
此処は、君の世界だからね。
君が全ての、この世界。
傷なんて、有って無い様なものさ・・・。
さぁ、望んでくれ。
私という、存在を・・・。
愛しいアリス、我等がアリス・・・。