ラプンツェルの後ろ髪

□No.2
1ページ/1ページ

ご機嫌よう、アリス。


一人ぼっちの、可愛いアリス。


だけど、此所では君は一人ではない。


誰もが君を望み、愛す。


可愛いアリス、可哀想なアリス・・・


おや?


古傷が痛むのかい?


君の胸に、大きく付いた傷。


治った様で、治っていない・・・。


私が、傷を癒せるだろうか?


では、想像したまえ


この私の指が、唇が、君の傷に触れる。


痛むかも知れないが、そんな顔も、嫌いではないよ。


アリス、泣きたければ泣いても構わないよ。


此所に居れば、傷なんてどうでも良くなるさ。


此所では全てが、君のモノ。


人、建物、世界、君が望めば、何だって彼らが揃えてくれる。


此処は、君の世界だからね。


君が全ての、この世界。


傷なんて、有って無い様なものさ・・・。


さぁ、望んでくれ。


私という、存在を・・・。


愛しいアリス、我等がアリス・・・。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ