二章.百物語

□二.青い指輪
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三人の大学生が肝試しのために、近所でも有名な心霊スポット「△△家」と
呼ばれる廃屋にやってきた。
そのうちの一人がビデオカメラを持って探索の記録を撮ろうとし、
そしてほかの二人がテレビのレポーターのようにマイクを持つ振りをしながら廃屋へと入っていった。

「どうもー○○でーす! おじゃましまーす!」

「怖くてあまり人が来ていないのでしょうか、あまり散らかってはおりません」

「おっとこれはなんでしょうか? どうやら指輪のようです。ルビーでしょうか?」

レポーター役の一人が居間の隅に落ちていた青い指輪を拾った。
意外な掘り出し物に三人は喜んだ。
そして特に心霊現象もないために廃屋を出ることにした。
もちろん、指輪は持って帰った。

「どうも、指輪までありがとうございましたー おじゃましましたー!」


早速三人はさきほど録ったビデオを上映した。
「しばらくしたら指輪は売りに行こうぜ」等と軽口をたたきながら再生ボタンを押した。
廃屋の前でマイクを構えた振りをしている一人が映し出された。
「おまえテレビ映りわりーなー」などと冗談を言っているうちに廃屋へ入るシーンになった。

「どうもー○○でーす! おじゃましまーす!」

「いらっしゃい」

女性の声が入りこんでいた。三人は固まったままビデオを見た。

「怖くてあまり人が来ていないのでしょうか、あまり散らかってはおりません」
「ほめてくださってありがとうございます」

「おっとこれはなんでしょうか? どうやら指輪のようです。ルビーでしょうか?」
「内の家宝のルビーです。持っていかないでくださいね」

しかし指輪はレポーター役のポケットに入れられて廃屋を出るシーンになった。

「どうも、指輪までありがとうございましたー おじゃましましたー!」
「ちょっと待て!」

低く、どすの利いた声が飛び込んできた。
ガタガタ震える三人。
そしてそばにあった電話が鳴った。
受話器を取る。

「△△です。どうして指輪を持って行ってしまったのですか?
指輪を返してもらいに本日そちらへうかがいますね…」


⇒あとがき
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