桔梗と龍
□想いと優しさに触れて
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頭が・・・重い。
節々も、痛い。
「うぅ・・・ん・・・。」
目を開けるとすっかり見慣れた天井が見える。
ここは、寺田屋?
あぁ、そうだ。
私、昨日フラフラ出歩いて、男達に絡まれて、高杉さんに助けてもらって・・・。
ズキンと頭に痛みが走る。
手で頭を押さえようとしたら、誰かに手を握られていたのに気がつく。
「りょうま、さん・・・。」
私の枕元で右手を握り、胡座をかいたまま眠る龍馬さんの姿が目に映る。
視線だけを部屋中に向けると、足元にお登勢さんが横たわって眠っていて、武市さんが壁を背に胡座をかいて俯き眠っている。
心配してくれたんだ、という事が痛いくらい伝わってきた。
そう思ったら胸がいっぱいになる。
起き上がろうと上半身を起こしたら
「まだ起きてはならん。」
と、いつの間にか目を開いて優しく微笑む龍馬さん。
「起こしちゃいました・・・かっ!?」
コツン、と龍馬さんが私のオデコに自分のオデコを合わせた。
不意な出来事に私は声が裏返る。
「まだ微熱があるきに。横になっちょれ。」
オデコを離すとすごい間近で龍馬さんと目が合う。
私は恥ずかしくて俯きそうになる瞬間、龍馬さんがフワリと私を抱きしめた。