群青の空に舞う蝶

□義を見て偽さざるは勇無きなり
1ページ/10ページ

藩邸での生活が始まって数日後。

少しずつ生活のリズムが掴めてきて要領よく出来るようになってきた。

毎日が新しい出来事と発見の連続だから、本当に刺激的な毎日で。

加えて高杉さんのおもちゃ状態の日々にも疲労困憊状態だ。

「おはよう、千夏さん」

「あっ、桂さん。おはようございます」

早朝の台所で私は桂さんと並んで朝食の支度をする。

何でも高杉さんと桂さんのご飯だけは桂さんが作っていたらしくて。

朝三人で食べる時の私のご飯も桂さんが作った物だと知った時は衝撃的だったなぁ…。

ある日の朝食の時に桂さんとお漬け物の話しをしていたら高杉さんが

「千夏の作ったメシが食いたい!!」

と、必殺技のワガママを言って朝食作りのお手伝いをする事になった。

「今日のお味噌汁は何にしましょう?」

「そうだね。茄をたくさん頂いたから茄にしよう」

希久ちゃんとたくさんの量を作るのも楽しいけど、桂さんとこうしてご飯を作るのも好きな時間だ。

料理が上手な桂さんに教わるのは本当に楽しい。

「どうだい?少しは生活に慣れたかな?」

「はいっ!本当に良くして頂いてありがとうございます」

桂さんはニコリと笑うと焼きあがった魚をお皿に盛り付けていく。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ