群青の空に舞う蝶
□義を見て偽さざるは勇無きなり
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「それは良かった。しかし晋作の我が儘でアサゲ作りを手伝ってもらってすまないね」
困り顔を浮かべて苦笑いする桂さんに私は頭を左右にブンブン振って
「とんでもないです!私に出来る事は何でもお手伝いさせてください」
お世話になっているから…という気持ちもあるけど、忙しく体を動かしていた方がアレコレ考える暇もないし、夜も早く寝付ける。
何もしないで部屋にただいるだけの方が今の私には辛い事だ。
「ありがとう、本当に助かるよ」
ニコリと笑う桂さんに少し照れながらお漬け物をお膳に乗せて三人分のご飯が出来上がった。
「さぁ、早く運ぼう。晋作が待ちかねているよ」
「そうですね」
クスリと笑いあうと私達はお膳を運んだ。
「うまい!!」
高杉さんは私が作ったお味噌汁を満足そうに飲んでくれて。
「本当に美味しいよ。いい塩梅の味加減だ。味噌の量はどれくらいなんだい?」
思いの他、桂さんがすごく誉めてくれた事が嬉しくてつい頬が緩む。
「味噌の量は…えっと、適当です!」
エヘヘと笑いながら言うと桂さんが目を丸くする。
「適当でこの味加減なのかい?」
「はい。適当、と言うか大体って感じです。目分量ですね」
「目分量…」
信じられないと言った感じで桂さんがお味噌汁を見つめる。
あ、あれ?
何かおかしい事言っちゃったかな?
桂さんの様子に高杉さんが笑いだし、私は首を傾げるしか出来なかった。