トラえもん!?

□まったり抹茶(仮)
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私の名前は鳳春(ふぉんちゅん)。人は私を抹茶と呼ぶのヨ。
私は魔女四姉妹の次女アル。でも魔法はあんまり得意ではなかったネ。小さい頃から走り回ったり飛び回ったり、魔法の勉強より体を動かすほうが好きだったのヨ。
でも占いだけは得意アル。名前が鳳春だからフォーチュンってダジャレみたいネ。タロットカードで運命を占うのヨ。良い結果なら当たればいいし、悪い結果は変わるように努力すれば何とかなるアル。
「アイヤー、雨アル…」
「って、天気くらい占いでわかるだろ?」
「天気なんて占わなかったのヨ」
「使えねー」
この生意気な金髪チビっ娘は私の妹、ミシェル。四姉妹の末娘で、皆からはチョコバナナと呼ばれてるネ。いつも白と黒ばっかりのヒラヒラした変な服を着てるのヨ。ゴシックロリータというらしいアル。
「まあいいや。私の傘に入れてやるから一緒に行こ」
「その傘に二人は無理がアルヨ。傘だけ貸してくれればいいネ」
「一緒に行かないんだったら貸さないよ。傘がないだけに」
私の傘もどこかにしまってあるはずだけど、しばらく使ってないから忘れたネ。占いで探したいところだけど、ミシェルが私と一緒に行きたいアピールしてるし…
「…まったく、いくつになっても甘えん坊アルな」
「別に誰にでも甘えるわけじゃないよ。ベリ姉やメロには甘えないじゃん」
ベリ姉っていうのは私の姉で四姉妹の長女、キャロライン。四姉妹で唯一、見習いではない一人前の“魔女”として、森の魔女“ベリー”と名乗ってるアル。
そしてもうひとり…メロゴールドは私の妹でミシェルの姉、すなわち四姉妹の三女アル。あの子は、まあ…普通の子アルな。
「普通って言うなぁ!。・゚・(ノД`)・゚・。」
「なんだ、メロまだいたの」
名前がメロゴールドだからグレープフルーツって呼ばれてたけど、長くてめんどくさいからそのうちただのフルーツになったのヨ。でも私たちはメロって呼ぶほうが多いネ。メロのメはメガネのメ。四姉妹唯一の眼鏡っ娘アル。
「居ちゃ悪いみたいに言わないでよ…せっかく傘貸してあげようと思ってたのに」
「抹茶は私の傘に入るからいいんだよ」
「や、だから二人で使える大きめの傘をね…」
「メロはどうするカ?」
「私は合羽があるから。ほら」
グレープフルーツの皮みたいに黄色くて水をはじく…なんだかゴツゴツした変な合羽アル。
「メロにしては普通じゃないな」
「だから雨が降ったアル」
「私のせい!?」
開くとグレープフルーツの断面みたいな色の大きな傘を借りたアル。
「じゃあ、私は先に行くね」
私たちに気をつかって(?)メロゴールドは先に行っちゃったアル。
「えへへ。せっかくだからゆっくり行こ
何がきっかけだったか忘れたけど、ミシェルは私にベッタリなのヨ。一番上のキャロラインや歳の近い三女のメロゴールドでもなく、どうして私なのか…
「ゆっくり行くと雨の中に長い間いることになるアルが…」
私だけといえば、四姉妹で私だけ名前が英語じゃない鳳春(ふぉんちゅん)だけど…まあ、フォーチュンとすれば英語になるし気にしないネ。
「そういえば抹茶って変な喋り方だけど…方言か何か?」
「さあ?…ま、名は体を表すというやつネ」
「それ、微妙に意味が違う気がするけど…」
「気にしない、気にしない♪」
雨の日はお外でタロットカードを出しにくいから、ちょっと苦手アル。…でも
「…ミシェル」
「わ。…何?」
「ふふ。何でもないのヨ」
タロットカードを触ってるより、こうやって妹の手を握ってるほうが好きアル。
魔女見習いの私たちは、学校に通って魔法の勉強をするのヨ。一人前の魔女になれば、キャロラインと同じ魔女の帽子をもらえるネ。
「あんな変な帽子、衣装に合わないから嫌だなぁ」
確かにゴシックロリータのアイテムとはちょっと趣が違うアル。
「まあ、帽子は常に被ってなくてもいいと思うのヨ」
「そりゃそうだけどさ…ボンネットやヘッドドレスみたいなのに変えてくれないかなぁ」
「まだ手に入ると決まったわけじゃないネ」
「私はまだいいんだよ。順番でいえば次は抹茶だろ?」
「そうだけど…私は、別に魔女にならなくても…」
魔法っぽいのは占いだけでもそんなに困らないネ。
「私は魔女になるし、二人とも魔女のほうがいいよ」
「んー。ミシェルは魔法で何をしたいのカ?」
「えっ。そりゃもう、抹茶とあんなことやそんなことを…」
「そ、それは問題アル。姉妹ですることではないのヨ」
「抹茶以外の人とはしないよ。…抹茶はそう思わない?」
私は…末っ子の一番小さいミシェルが可愛くて、つい贔屓というか特別可愛がってたつもりだったアル。…でも、いつの間にかミシェルも姉妹の中で私だけ特別扱いするようになって…
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