09/28の日記

20:25
かくて大空は闇に帰る 2
---------------

「ーーで、次の議題だ」

バルマスケ幹部の緊急会議。その議題は主に今回のボンゴレの思惑に乗ることについての、実に真剣なものばかり。今回ばかりは皆神妙な面持ちである。

そして議題は、次に移ろうとしていた。

「今回の作戦にあたって、皆思うところはあるだろう。常にギリギリの綱渡り、一歩間違えば破滅だ」

ガドーの言葉に、シェリル、エルゼ、リリー、マルクは重々しく頷く。

「だが、なんとしても成功させなきゃならねえ。もう一度言う。なんとしても、だ」

ここで言葉を切り、四人を見渡す。全員、覚悟はできているというようにガドーを見返した。

「では、次の議題ーー最後の議題に移る。議題はーー」

誰かがゴクリ、と唾を飲み込んだ。


「『どうやって嬢ちゃんから隠し通すか』、だ」


この言葉で全員が沈痛な表情になった。

ガドーの言う『嬢ちゃん』とは、ヴィルとイエラの娘、アリア・ダーティアのことである。
ヴィルから色素を、イエラから容姿を受け継いだアリアはヴィルとイエラを足して2で割ったような性格で、両親が大好きな齢500歳の吸血鬼だ。

今回、ヴィルが態ととはいえ、ボンゴレから危害を加えられていることを知ればまず大暴れするのは間違いない。ことによっては作戦如何もブチ壊してしまいかねず、ガドー達も無事では済まないだろう。

「…………か、隠し切れないですかね?」

「………いや、隠し通すのは無理だろう。仮にもボンゴレ初代守護者、アラウディとして諜報で暗躍していたのだから」

「………完全に八方塞がりね」

「どーしよー、絶対アリア怒っちゃうよー…………」

「…………それをどうにかするために今全員で考えてんだろ」

「仮に隠しても、超直感で気付くわよね…………」

「何なんですかアレ。チートにも程があるですよ…………」

「……むしろ、『どうやって隠し通すか』ではなく『どうやって怒りを鎮めるか』を考えた方がいいだろうな……」

「そうだな……」

「じゃあガドーが囮になってー」

「あ、それいいじゃない」

「私、ガドーさんのこと一生忘れないですよ」

「…骨は拾ってやる」

「いやいや待て待て待て。おかしいだろ。なに今生の別れみたいなこと言ってんだよ。まだ死なねぇよオレ?まだ生きてるよ?こういうのはあれだ、幹部全員一蓮托生だろ?」

「何言ってるのー?聞こえないよー」

「聞こえてんだろリリー!!他の奴も何で顔背けてんだ!?嘘だよな、な!!?」

「…ガドー、後ろだ」

「…………は?」


「…………ねぇ、ガドー。父様がボンゴレの屑に貶められてるって本当?」


バルマスケファミリー幹部、『炎帝』 ガードナー・ダッツエル。
不幸にも、彼の命は儚く散っ…てはいない、はず。



かくて大空は闇に帰るの追加。
ヴィルと雲雀さんが千年前に会ったとしたら、雲雀さんに激似のアラウディさんは一体?という疑問が湧いてくるはず。

え?アラウディってヴィルとイエラ(雲雀さん)の子どもでしょ?何言ってんの?
と速攻配役決まって設定も決まりました。脳内で疑問に思ってから結論に至るまでコンマ01秒。設定を考えた時には既に決定してたってことですね(笑)

実はイエラ(雲雀さん)が人間っぽい生活もしてみたい、と言う以前に、アリアが人間に混じって生活してみたい、とヴィルに強請っていたのです。
で、滅多におねだりなどしないアリアのお願いに、ヴィルも強く言うことができず、体調が優れなかったイエラをバルマスケに置いてアリアと共に当時のイタリアへ。

しかし思いの外治安が悪く、ならば自分で良くしようと駆けずり回っている間に自警団設立。
大好きなヴィルの力になりたくて、アラウディという偽名を名乗り、特殊能力を使って二十代に見えるようにして男装し、守護者として諜報活動や敵の殲滅などに従事していた。

今回、イエラが人間っぽい生活もしてみたい、と言った時も一緒に行きたがったのだが……。

という設定。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ