09/27の日記
23:19
千年恋物語
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尸魂界と虚圏。
二つの世界には、麒麟が存在する。
霊王と虚王、それぞれの唯一の王のためにーー
尸魂界。
霊王は明るく、全ての人に分け隔てなく接する方であります。
故にーー王宮に籠(こも)らず、瀞霊廷に顔を出したり、流魂街に足を運んだり、ちょくちょく外に出るのです。
「んーっ、今日は良い天気だな。絶好の出掛け日和だ」
「あんな群れの中にわざわざ入っていく必要が感じられない」
「そんなこと言うなって!」
ググッと空中で伸びをする橙色の髪を持つ王は、傍らに立つ漆黒に彩られた青年に笑いかけました。
「いっつも王宮に籠もってたら息苦しいだろ?たまには息抜きに外へ出ろよ」
「君はいつも息抜きしているけどね」
「いいじゃねえか。仕事はきっちりしてるぞ」
不機嫌そうに言う青年に王はこっそり嘆きました。
何を隠そう、この青年こそが麒麟なのですが、実は王は彼と契約していませんでした。
というのも、尸魂界で生まれたこの麒麟は開口一番、
「君は確かに霊王だ、それは認める。でも僕の王じゃない」
と言って、契約をしようとしないのです。
契約しないのならば自分は霊王ではないのではないかと思ったのですが、口にすると麒麟はきっぱり首を振りました。
「契約はしない。けど確かに君は霊王だ。ちゃんと王気も見える。ただ、僕の王じゃないだけ」
だから絶対に霊王である、と断言したので契約はしてないけどまあそれもありか、と自分なりの納得をしていたのですが……。
王はちらっと麒麟の方を見て、もう一度嘆息しました。
自分が彼の王ではないからか、彼はちっとも王に心を開いてくれることがありませんでした。それが王にはちょっぴり悲しかったのです。
しかし王はめげません。今日もやっとこさ王宮から引っ張って来たのです。目一杯色々なところを連れまわして楽しませようと王は決意しました。
「よし!んじゃ行くか!」
「人の話聞いてたの?僕は行かな…」
「まぁまぁそう言わずにさ」
嫌そうに顔を顰(しか)める麒麟に構わず、ガシッと手を握って王は地上へと向かったのでした。
虚圏。
虚王は優しく、とても落ち着いた方であります。
故にーー王宮にいるだけで破面達が王の元を訪ねてきて、談笑や喧嘩の仲裁に入ることが多く、あまり外に出なくても退屈しないのです。
今日は珍しく、王は一人で王宮の玉座に座っていました。
静かに目を閉じて眠っているかに見えましたが、近付く気配に目蓋を上げちょうど部屋の前を通り過ぎようとしていた姿に声を掛けます。
「…何処に行くんだ?」
「オレが何処にいようが勝手だろーが」
「いや、引き止めるつもりはないが、ちゃんと帰ってくるようにな」
王の言葉に立ち止まったのは純白を身に纏った青年でした。王に声を掛けられて、いつも不機嫌そうな顔が更に不機嫌になっています。今にも「チッ」と舌打ちしそうです。
王の言葉が気に食わなかったのか、フン、と鼻を鳴らすと青年は部屋の前を通り過ぎてどこかに行ってしまいました。
一度、いつになっても彼が王宮に戻って来なかったので王自ら捜索隊を率いて探しまわったことがあります。そのことを思い出して言ったことだったのですが、気分を害してしまったようです。
上手くいかないものだな、と王は自嘲しました。
青年は麒麟です。しかし、彼は王と契約していませんでした。
虚圏で生まれた麒麟は開口一番、
「テメェが虚王なのは認めてやる。王気も見えてるからな…。だが、オレの王じゃねえ」
と言って、契約をしようとしないのです。
最初こそ驚いた王でしたが、いきり立つ破面達を宥めて、それで構わないと麒麟に言いました。
王は契約していなくても気にしていません。そんなものなのだろうと自己完結しているのです。
ですから、彼が自分に対してどんな態度、言動をとっても咎めませんでした。
今回も彼らしい、と思っただけで、特段思うことはありません。
久しぶりに外へ出るか、と王は腰を上げました。実は、あまり外に出ないというだけで、王は外の虚圏の景色をとても気に入っているのです。
麒麟と会えば一緒に月を見よう、と王は歩き出したのでした。
尸魂界と虚圏。
決して会うことはなかった彼らが出逢うまでもう少し。
脱色×復活×十二国記パロ
…いや、あれです。王と麒麟設定って絶対おいしいよな、とか勝手に思ってまして。もともとフィーバーしていた復活と、最近目覚めた脱色を組み合わせてやっちゃえばよくね?とか思ってできた産物です。
とりあえず配役。
霊王→一護
虚王→綱吉(ハイパー)
尸魂界の麒麟→雲雀さん
虚圏の麒麟→白一護
全員外見は既に成人。大体二十五ぐらいで。
雲雀さんは尸魂界の麒麟だけど、雲雀さんの王は綱吉だけ。というわけで綱吉と契約。
同じく白一護は虚圏の麒麟だけど、白一護の王は一護だけ。というわけで一護と契約。
無事に契約は済ませられて良かったーと思いきや問題が発生。
雲雀さん、白一護はそれぞれ尸魂界、虚圏の麒麟で、契約した王と真逆の世界の住人。契約した者同士同じ世界には居られない。
なので時々尸魂界と虚圏を行き来することに。
CPはツナヒバ。と、白黒か黒白(まだ決めていません)。
そんなもどかしい彼らの周りを巻き込んだ恋のお話。
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23:16
裏切るは鬼か人か
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『おのれ、穢れた人間の分際で!』
怨嗟の声が響く。
『この怨み、千年に渡り呪いとなりて蝕(むしば)もうぞ!』
それは呪詛となり人々を絡め取る。
『ゆめゆめ忘れられると思うな!我が目覚めし時、世界を破壊してくれよう!!』
怨念は一つの宮に封じられ、厳重に守りを敷かれた。
千年の後の、運命の時まで。
むかしむかし、あるところに、土地神様がおりました。
土地神様はよく村を統治し、全ての厄災を退けて村の平穏を守っていました。
そんなある日、村の近くに一匹の鬼が現れました。
鬼は村に入った途端、土地神様の結界で弾かれてしまいました。
そこで、鬼は村から離れた山でひっそりと暮らすことになりました。
鬼は珍しく人々に危害を加えず、逆に迷子になった子供達を村まで送るような優しい鬼でした。
自分の村の近くに鬼がいることに気付いた土地神様は鬼の元に訪れました。
土地神様は他の神々よりも強く、鬼などの妖魔が来た時はいつも即座に倒してきました。しかし、この鬼だけは土地神様の目を掻い潜り、結界に触れても土地神様が気付かなかったため、土地神様と同等の力を持つ鬼なのだと思い、土地神様はすぐに倒しに行こうとしたのです。
鬼の住む山まで来ると、土地神様はすぐに鬼を見つけました。が、武器を振るうことはありませんでした。
土地神様の目の前には、淡く金色に輝く髪と琥珀の目を持つ美しいーとても美しい女鬼がいました。
一目で女鬼に心を掴まれた土地神様は、女鬼の元に度々訪れるようになりました。最初は戸惑っていた女鬼も、しだいに土地神様に心惹かれ、神と妖という相入れない存在でありながら二人は結ばれました。
しかし、ある日のこと。女鬼は村の結界を破り、村に厄災を呼び込みました。
山火事、津波、不作に飢饉。村の人々は次々死に絶えていきました。
そう、最初から女鬼はこれを狙っていたのです。土地神様を愛していたのも全て演技だったのでした。
そうして、死に絶えていく人々の血肉を喰らって、女鬼は力を蓄えていったのです。
愛する人の裏切りにあい、土地神様は悲哀に満ちながらもとうとう女鬼を倒すことに成功しました。
そのために土地神様は全ての力を使ってしまい、長い眠りにつきました。
村の人々は土地神様に感謝し、土地神様が眠る土地に神社を建てて今もお祀りしているのだそうです。
「…随分捏造したものだね。自分達が何もしていないあの子を殺したくせに」
ある町の神社で、一人の少年が町に伝わる昔話を読んでいた。
「やはり人間は醜い。あの時、殺しておくんだった」
憎しみを宿し町を睥睨していた少年は、ふと表情を和らげて空を見上げた。
「もうすぐ、もうすぐこの忌々しい封印も解ける。そうしたら君を迎えに行くよ。そして一緒にこの世界を壊そう。君を傷付けた人間どもは真っ先に殺してやろうね、綱吉」
そして、邪神となった土地神は、愛しい鬼のためにと嗤った。
×パラレル
ヒバツナでパラレル。
土地神→雲雀さん
女鬼→綱吉
二人が結ばれたところまでは昔話と一緒なのだが、そこから先は事実とは全くの逆。
雲雀さんの結界を破り、厄災を呼び込んだのは強力な妖で、綱吉はそれを止めようとしていた。
しかし、力及ばず重傷を負った綱吉に雲雀さんの気が逸れた内に結界が破壊され、厄災が村に降りかかる。
結界を破った妖は雲雀さんがトドメを刺しましたが、突然厄災が起こるようになったことで、村人たちは雲雀さんが綱吉に誑かされ力が弱まったところを綱吉が狙った。元凶は綱吉だと思い込み、雲雀さんが神無月に出雲へと出掛けている間に綱吉を襲って殺してしまう。
村に戻ってきて、綱吉が村人達に殺されたのだと知った雲雀さんは村人達を憎み、邪道に堕ちて邪神となり村人達を殺していきます。
このままでは全滅してしまうと恐れた村人達は徳の高い僧侶を呼んで、力を合わせ無理矢理雲雀さんを封印します。
千年後、ようやく封印が弱まりだし、分身を作り情報を集められるほどに回復した雲雀さんは、町を掌握して綱吉の生まれ変わりを探します。
綱吉を見つけると分身を近くにおいて見守るように。しかし、綱吉はだんだんマフィアなどに巻き込まれて、しまいにはそのマフィアの血を欲した悪女に嵌められる。
綱吉を傷付けた元仲間達も村人の生まれ変わりと同様に憎み、次第に綱吉を信じた、過去の綱吉と自分の子供として可愛がっていた捨て子の生まれ変わりであるクローム以外の人間は殺すべきだと考え、封印が完全に解けると綱吉とクロームを攫って姿を消し、復讐をする。
という話。
あんまりにも暗い+グロくなりそうな予感がするので、連載する時は悪夢の果て行きが決定しているネタ。
☆コメント☆
[ダリア] 09-28 17:53 削除
面白そうな内容ですね!
連載を希望します!
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23:15
死神代行殺人記。
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「アアアアア!!」
夜の空座町に大虚の絶叫が響き渡る。
「これで終わりだ!月牙天衝!!」
漆黒の衣を身に纏う橙色の少年が刀を振り下ろす。
刀の刃から黒い斬撃が放たれ、あまたず虚の仮面を真っ二つに斬り裂いた。
「…っふー。さて、今日はもう帰るか」
一息ついて、少年は民家の屋根に降り立った。
そして、家へ向かって瞬歩を使おうとしたところでーーくん、と漆黒の衣装を引っ張られる。
「おわっ!?……っとと、っぶねーな。急に引っ張んな、一破(いっぱ)」
「……一護」
つんのめって転けそうになるのを何とか堪え、振り向くとさっきまではいなかった少年に至極そっくりな、色という色を抜いたような白い少年がいた。
「どうした?」
「…今は家に帰んなよ、一護。あの変態針金男が家の前で待機してんぜ?《自殺志願》で切り紙しながら」
「なぁ、まずオレはどこから突っ込めばいい?こんな夜中に他人様の家の前で張ってることか?それともいい大人が殺人道具で切り紙していることか?」
「両方だろ」
遠い目で現実逃避をしそうな少年に白い少年はズバッと言った。
その一言で少年は呻きながらしゃがみ込む。
「なんでだよ…なんで来てんだよあの人。ってか人識はいいのか?」
「さあな。最近“呼吸”してねーからじゃねえか?大方そろそろ衝動が抑えきれないとみて様子見に来たってところだろ」
「じゃあ今日撒いてもまた来るじゃねーか!どうしろってんだよ!?」
「あ、今日撒いて明日“呼吸”してるとこ見せたら大人しく帰んだろ。近くに《愚神礼賛》の気配もあるしな」
「あ、ほんとだ…じゃなくて!だったら今日はどーすんだ!?このままだと身体に戻れねーじゃねーか!!霊圧ないのに死神化してるオレのこと見えてるし裏世界の奴らって!」
「あー……」
ぽりぽりと頭を掻いて、白い少年はとっても言いづらそうに言葉を濁した。
一人の人物に対して取り乱すのはいつものこと。今日はどうやって宥めようか知恵を絞る。
「……まぁ、あれだ。頑張れ」
「他人事だと思ってー!!」
黒崎一護。
職業、高校生と死神代行。
「諦めろ黒識。後で抱きしめさせてやるからよ」
「ふざけんなっ!白識の馬鹿ぁぁぁぁ!!」
そして、殺人鬼。
脱色×戯言
CPは白黒、黒白どちらか。まだ未定です。
一護と白一護が零崎で双子。ただし、白一護は原作通り一護の内なる虚で、勝手に具象化したり、実体化したりできる。
実は白一護との邂逅は小学一年生の時。それからはほぼ毎日具象化+実体化して一護の側にいました。斬月とも談笑する仲。
一護は本当は無月の時のように黒髪で長髪なのですが、諸々の事情により原作の容姿に。
橙の髪色が原因で不良に絡まれた時に白一護と共に零崎に覚醒。この時八歳。
双識が苦手。両名から危険人物リストに早々入れられた人。
《チーム》にも所属。一護は友と仲良し。白一護は普通。
現世組は全員裏世界関連。
チャドとたつきは匂宮、織姫が石凪、石田が罪口、水色は時宮、啓吾は奇野の出身。皆仲良し。
嫌われにしようか日常ほのぼのにしようか悩んでいるネタ。
☆コメント☆
[ティンク] 02-25 08:13 削除
これ、見てみたいです!一護と白一護が零崎とかそして皆裏世界とかおいしすぎます!
ぜひ嫌われで((
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