05/11の日記

22:25
人類最愛の日常風景 2
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「ね、玲烏」

「何?璃鴉」

「イタリアから、紅夜(こうや)が帰って来るって」

「………………そう」

応接室でお茶をしながら、二人は風紀委員の書類を片していた。

一瞬、玲烏の手が止まり、また書類にサインしていく。
感覚を共有しているから、見ていなくても璃鴉にはそれが分かる。

「…………嫉妬しなくてもいいのに」

「嫉妬してないよ。気になっただけ」

クスクス笑う璃鴉に、憮然とした表情で玲烏が答えた。

「……私《僕》は玲烏のこと、大好きだよ?」

「そうじゃなかったら僕《私》は自殺するよ」

璃鴉が抱きついたと同時に、玲烏も抱きしめる。

その時、二人以外の声がした。

「………今、帰った」

「ん、おかえり」

「……おかえり」

いつの間にか応接室にその人物がいても、璃鴉と玲烏は驚きもせず、慌てもせず、怒りもせず、全く動じなかった。

「お土産あるー?」

「それと、報告は」

「土産はある。これはタルボから預かった。他にはワインとシャンパンぐらいか」

「タルボさん、仕事早い!ワインとシャンパンは後で飲むね」

「相当上等なヤツだよ、これ。どこで見つけて来たんだか…」

「盗んではない」

「どうだか」

じいぃ〜と疑いの目を向けてくる玲烏に、言われる謂(いわ)れのない男ー紅夜は平然と言った。

「……ジジイ共がまた騒いでやがる。リング戦の様なことになるぞ」

「…本当?」

「…また?」

「近々晴のアルコバレーノに連絡がいく。そうなればほぼ確定だ」

「いやだなぁ、面倒くさい………何でやらなきゃならないの?」

「こんな時のために暗殺部隊率いてるんでしょ。何してるのさ」

心底嫌そうに顔をしかめた《人類最愛》は言った。

「「ねぇ、ザンザス」」

偽名、XANXUS、
本名、闇口紅夜(こうや)
《人類最烈》《壮烈血神(カッスロートサタン)》

「……申し訳ない、我が主」

《人類最愛》の、奴隷。






人類最愛の日常風景の続編…というか追加。

ザンザスが闇口だったら面白そうだと思って付け加えました。
いつかボンゴレ十代目候補が新たに出てきて、その候補と守護者達にリング戦みたいなのを挑まれる。けど、乗り気な獄寺達とは違い、璃鴉と玲烏は面倒くさがって暴れまくる…みたいな。紅夜が率いているという理由で八つ当たりされる憐れなヴァリアー(笑)

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