短編
□卒業
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「バイトは?」
「ない…しばらく休みにしてある」
「なんで?」
「そろそろ本気で進路を考えなくては!って…」
碓氷だって考えていないわけではない…多分、イギリスへ強制的に連れて行かれるのだろうという決まってたようなルート。
だが、今は決まったルートではなく彼女とずっと一緒にいたいという自分で考えたルートに歩みたいと思っている。
「鮎沢は離さないからね…」
「はぁ!?まさか同じとこに行きたいとか言
うのか?」
「うん!!」
「ふざけるな!ちゃんと自分で決めろ」
やっぱり真面目な彼女は怒ったがこれが碓氷の決めた自分のルートだから。
いつかは彼女と2人で同じルートを描き歩いていきたいと思う碓氷だか美咲はどう
思っているのだろうか。
「鮎沢、好きだよ…だから今日はうちに来て泊まってよ」
「っ!!しょうがない今日だけだからな!」
「はいはい!」
今はどうだっていい彼女といられるんだから…来年卒業しても…いやずっと2人で
いられますように…。
この学校を卒業しても鮎沢が俺から卒業しませんようにと願ったある春の碓氷であった。