短編
□卒業
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卒業
「ねぇ、鮎沢は俺と離れて淋しくないの?」
「はぁ?いきなりどうしたんだ碓氷」
碓氷はいつも通り生徒会室の窓に寄りかかって美咲といた。
「来年の今ごろ俺たちもこんな感じなのかな?って…ほら外見てごらん」
言われた通り美咲は窓から外を見てみた。
今日は星華高校卒業式だった。
外にはまだ少しの卒業生が残り仲間との別れを惜しんでいた。
「お前は女子に囲まれてそうだな」
「大丈夫!その前に逃げるから…鮎沢のとこへ」
「ふぅん…ってお前!」
明らかにおかしな単語が混じっていたことに美咲は気づき頬が赤くなっていた。
「美咲ちゃん気づくの遅い…」
「わ、私のところに逃げられても困る…」
「じゃあどこに逃げればいいの?」
「し、知るか!!それくらい自分で考えろ…」