書斎
□集え!古き者たち
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空中で突然消えた飛行機の行き先
かの有名なタヌキもとい青い猫のポケットの中
ウサギを追いかけて穴に落ちた少女の辿りついた先
このように世の中には『ここ』とは違う場所がある。それを私たちは『異次元』と呼ぶ。
その異次元に存在する学校。そこは、かの有名なものたちが集う場所だった。
今日もその学校で授業が行われる。
「はーい、座れー!!」
そう声をかけるのはウサギの先生。
和服の少年や、おじいさん、十二単を着たきれいな女の人がバタバタと席につく。
年齢、性別、何もかもを問わずこのクラスは『ある共通点』のみで構成されている。
ウサギの先生は黒板にデカデカと大きく字を書いた。
『正しい鬼退治の方法』
それを書いた後は皆の方に向き直ってドンと椅子に腰を下ろす。
「はい、今日はこのテーマを皆で話しあってもらう!いわゆる、でぃすかっしょん、だ。
要するに討論会な。合間合間で俺が指摘いれてやるから。やってみろ〜」
それを聞いて和服の少年はブツブツと文句を言った。
「なんでタヌキしか倒したことない奴が俺たちの先生なんだよ!?俺でいいじゃん。ちゃんと鬼退治したしさ」
それを聞いて少年が言った。
「俺の方が向いてるって。だって、俺、誰ともつるまずに、しかも手のひらサイズで体格的にも不利だったのに1人で倒したもん」
「結果が一緒だったら同じだろ」
「過程って大切だって。数学とかと一緒でさ」
「答えだろ、大切なのは!」
「うるさい」
2人の少年はウサギの先生に頭を叩かれた。それを見て臼がやれやれと体(頭)を降る。
そう、このクラスの共通点、それは日本昔話出身ということだ。