書斎
□魔へ続く階段1
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次の日、僕はワクワクしながら公園に行った。
でもリーリスはいない。僕はまた独りぼっち。
しばらくするとほんの少し暗くなってきて、もう帰ろうかなと思った時リーリスはやって来た。
「こんにちは、マルク。このあいさつをするには少し遅いかな?」
「そんなことないよ。こんにちはリーリス。会えてうれしいよ」
「本当に!?私もうれしい。マルク、この町を案内してよ。まだあんまり知らないから」
「うん。いいよ」
「ありがとう」
僕は最初に、この辺りで一番美味しいお菓子屋さんに行った。
「ここのチョコレート、すごく美味しいんだよ」
「そうなんだ。かわいいお店だね」
かわいい・・・のかな?
基本色が黒と紫のこのお店は『美味しい』のは確かだけど、
妙に怪しげな見た目だから小さい子は『魔女の館』と呼んでいるんだけど・・・。
「他にも良い所はたくさんあるよ」
僕は色々な所を案内した。おもちゃ屋、花屋さん、雑貨店・・・。
ちょうど教会辺りにさしかかった時、賛美歌が聞こえてきた。
「この教会は5時半になったらシスター達が賛美歌を・・・。リーリス?」
さっきまで僕の隣を歩いていたリーリスがいなくなっていた。
辺りを見回したけれど誰もいない。
僕はリーリスの事が気になりつつ、これ以上遅くなると怒られるので足早で家に帰った。