謎の島

□晴れの絵
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「どうかした?レイトン教授」


振り向きながら答えた。


「ここの絵はどれもすばらしいものだからね。ここを発つ前に見ておきたくて」


「その絵がお眼鏡に叶ったの?」


「ああ、大胆にかつ繊細に描かれている。これも名無しが描いたのかい?」


「ううん、この絵を描いたのは私じゃないの。この屋敷にある唯一のお父さんの絵よ」


「画家だったのかい?」


「うん、でも余り売れなかったみたい」


一瞬顔を曇らせたようだったがすぐにまた、いつもの様に戻った。


「私もこの絵が大好きなの。
人物画しか描いたことないけどいつかこんな絵を描いてみたいな」


「君ならできるさ。何事も試してみなければ分からないよ」


「ありがとう。それから、話に付き合わせちゃってごめんなさい。もう夜もふけたわ。疲れたでしょう?ゆっくりして下さいね」


そう言いながら名無しは微笑んだ。灯りがチラチラと揺れ怪しい光を放つ。


「いや、こちらこそ。君も今日は疲れただろう?体を休めないと」


「そうね。お互いに。じゃあ、おやすみなさい」


私と名無しはそこで別れた。お互いに部屋へと戻る。
部屋に帰ると私もすぐに眠ってしまった。










続く
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