謎の島
□晩餐
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長い廊下の先にはドアがたくさん並んでいた。なんだか少し薄暗い。
その中からモップを持った女の人の姿が浮かびあがった。思わず声を上げてしまう。
「この人はこの家唯一のお手伝いさんなの。この方たちを部屋へお通しして」
少し笑いながら最初の言葉を僕達に、次の言葉をお手伝いさんに言うと名無しさんは、じゃあまた後で。
と、そう言うとこの広い屋敷の奥へと消えてしまった。
残された僕達はその人に連れられて部屋へと向かう。
向かう途中、なぜか2、3回、目があった。その人はその度にパッと目を逸らす。一体何なんだろう?
案内された部屋には、フカフカのベッドとソファ。
それに少し小さめのテーブルが用意されていた。
「何か御用があればお申し付けください・・・。」
遠慮がちにそう言ってその人は静かに扉を閉め、出て行ってしまった。
「レイトン先生、あの人何だか僕達を気にしているみたいでしたね。何かあるんでしょうか?」
「さぁね。もしかしたら久しぶりの来客だからかも知れないよ」
「どうして久しぶりって分かるんですか?」
「名無しが『お通しして』と以外何も言わなかったのに彼女は私達をここに連れてきた。と、いうことは、ここは来客専用の部屋なのだろう。
それなのに部屋には最近使われた様子がない。長い間来客がなかった証拠さ」
「だから、久しぶりって分かるって訳ですね」
「そういうことだよ」
ふかふかのソファに座って寛いでいると、トントンと部屋の扉が叩かれた。
キィと音を立てて扉が開く。顔を出したのは名無しさんだった。
「疲れは少しでも取れた?食事の用意が出来たみたいだから呼びに来たの」
名無しさんに付いていくとすぐに良い匂いがしてきた。ダイニングらしい扉の前につく。
その部屋に入ると美味しい空気に包まれた。ここも広々としていて、彫刻が数体飾られている。
「好きな場所に座って」
そう言われ席につくと次々と美味しそうな料理が運ばれてきた。
ローストビーフやサラダ。それにスコーンやプティング・・・。
どれもこれもご馳走ばかりだ。