忍たま小説集・番外編

□バレンタイン企画2011
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☆友一編
2月14日はバレンタインデー。
女の子が男の子にチョコレートをあげて気持ちを伝えるイベントだ。
「最近では友チョコもあるのは分りますが・・・」
友一は自分の机の上に置かれているチョコレートの山を見つめていた。
「友一は凄くモテるよな」
「モテる以前よりもこのチョコレートの大半は先輩達から貰ったんですよ」
これを聞いて左近はずっこけた。
「男である先輩達からのチョコレートぉ〜」
「はい・・・友チョコですよね、これは」
「そうだよな」
忍術学園の中では友一が男だと知らない者は誰もいない為そう確信するしかなかった。
「三郎次と久作と四郎兵衛も呼んでチョコレート食べましょうか?」
「そうだな、あいつらも何個かは貰っているだろ」

三郎次と久作と四郎兵衛も部屋に来て、それぞれ貰ったチョコレートを見せた。
「皆義理チョコレート」
「僕も」
板チョコと一口チョコを見せた。
「俺は友チョコは市販物ですがくノ一と山本先生から貰ったチョコレートは手作りなんですよ」
くノ一から貰ったチョコレートはチョコレートを使ったケーキやクッキー、そしてマシュマロとキャンディーとキャラメルだった。
「美味しそう!」
四郎兵衛は目をきらきら輝かせてチョコレートケーキを見つめていた。
「食べてもいいですよ、女の子達からのチョコレートはたいてい凝っている物ばかりですからね」
友一はこれが本命のチョコレートとは知らずに手作りの義理チョコだと思い込んでいた。
まあ・・・年齢のせいもあるだろうが友一は恋愛には疎かった。
「美味しい!」
分けてもらったチョコレートケーキを食べる四郎兵衛は笑みを浮かべていた。
「本当だ、凄く美味しい」
「うん!」
三郎次と久作もチョコレートキャンディーやキャラメルを美味しそうに頬張っていた。
「チョコレートは大好きだけどカロリーが凄く高いんだよな、糖尿病にもなりそうだし・・・」
左近は不安そうにしながらチョコレートを齧っていた。
「食べ過ぎなければ大丈夫ですよ、チョコレートはストレス解消にもなる食べ物だし」
「そうだな」
今日の分のチョコレートを食べ終えると今日出された宿題に取り掛かった。

大量のチョコレートを押入れにしまうのを忘れずに・・・

☆新平編
新平はくノ一から貰った大量のチョコレートを見てため息をついていた。
「チョコレートか・・・今年もいっぱい貰ったな・・・」
無造作に取ったチョコレートのラッピングを剥がし齧った。
「美味い・・・」
むぐむぐとチョコレートを食べていくうちに同室者が戻ってきた。
「尼崎、今年もチョコレートは本命か?」
「ああっ、今年も皆手作りだ」
「そうか」
三木ヱ門は貰ったチョコレートを机の上に置き、その内の一個を開けた。
「三木は今年は何個貰ったんだ?」
「義理で5個、本命で8個」
「三木は結構モテるんだな」
一個目のチョコレートを平らげると今度は小さい方のチョコレートを手にした。
「尼崎はこんなにかっこいいしタカ丸さん並にモテるのにどうして彼女を作らないんだ?殺蔵さんに言われているからか?」
「ただ執着心がねぇだけだ」
新平は恋愛には疎くもなく鈍感でもない。
ただ、女と恋愛には執着心がないだけだ。
「まあ・・・執着心があるないかはお前の勝手だがつまらない男にだけはなるなよ」
「分っている、つまらない男と呼ばれるのは殺蔵だけで充分だ」
喜八郎とタカ丸もチョコレートを持って部屋を訪れた。
「よう、綾とタカ丸さん」
「チョコレートいっぱい貰った」
「一緒に食べない?」
2人の誘いを承知し、チョコレートを食べ始めた。
「うん!凄く美味しい」
「僕はチョコチップクッキーが大好き」
チョコマシュマロを食べるタカ丸とチョコチップクッキーを食べる喜八郎の顔は凄く浮かれていた。
「ところで滝は?」
ここにいない滝夜叉丸のことを思い出した。
「今年もチョコレートもらえなかったみたい、その気晴らしに七松先輩と一緒に裏裏山まで行って塹壕を掘っている」
笑い声とチョコを齧る音が部屋に響いた。
「チョコレート好きなんだけど太るんだよね」
「うんうん」
太りやすい体質を持っている喜八郎と三木ヱ門は明日は覚悟した方がいいなとぼやいた。
「尼崎みたいな体質が羨ましいよ」
新平はどんなに食べても太らない体質だったためいつも羨ましがられていた。
「今日は嫌なことは忘れて全部食え、全部」
最後のチョコレートケーキを平らげると、次は板チョコを齧った。
「「「・・・・・・」」」
休むことなくチョコを食べ続ける新平を見て3人は唖然としていたのだった。
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