忍たま小説集(R指定)D

□囚われの天下の剣豪
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建家が自白すると解放された。
(命は・・・助かったのか・・・)
仕事は失敗したが命は助かった。
近くの池で体に付着した精液と媚薬を洗い落とし、私服に着替えて腰に刀を差した。
(これからどうすればいいんだ・・・)
生活する資金がない。
ここの所何も食べていない。
これからのことを考えているとき、久しぶりに聞く声が聞こえた。
「建家じゃないか」
「尼崎先輩・・・」
「こんなところで何している?」
殺蔵が問いかけようとしたとき、建家のお腹の鳴る音が大きく響いた。
「まず・・・飯食うか?」
「金がない・・・」
「飯代ぐらい奢ってやる」
建家を近くの茶店に連れて行き軽食をご馳走した。
「はぁー!ここの所何も食っていなかったから落ち着いた」
「何も食っていないって・・・」
生活資金がなくなって忍者の仕事をしようとしたが忍術の腕が衰えてしまって敵に捕まって拷問を受けたことを打ち明けた。
「何とか命は助かったが仕事は失敗に終わった」
「剣豪は収入は貰えない職業だ、天下の剣豪達は大抵副職をして食いつないでいるぞ」
剣豪達は用心棒のバイトや就職をして資金を得ていることを説明した。
建家も前までは忍者の仕事を副職としていたが最近では剣の修行ばかりしており、このことをすっかりと忘れてしまっていた。
「お前は両立するということを覚えろ、お前に忍術の腕が戻るまで私の元でコーチしてやる」
「お願いします」
このままでは生活が成り立たないため建家は暫くは剣豪職を休んで殺蔵の元で忍術の腕を磨き始めた。
元々飲み込みがいい建家は1ヶ月で忍術の腕が回復し、その2週間後に再び忍者の仕事を再開した。
殺蔵の支持の元なのか今回は失敗することなく仕事に成功して資金を得ることが出来た。
「これからは剣も忍術も両立していかんとな」
給料を貰った建家はそう呟いた。



製作日 2013年1月11日
更新日 2013年1月11日
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